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▼TAKAMINA
消えてしまったセンターノヴァ。噂には聞いていたけれど、まさかそんなわけないって思ってた。だから、自分が立っていたステージでそれを経験するなんて。起きたことが信じられない。自分の目を疑った。
けれど、本当に。メンバーみんなや沢山のファンに愛されていたセンターノヴァは文字通り消えてしまったんだ。ツバサさんが歴代センターノヴァの写真を見上げる。私とゆきりんも追うように彼女を見た。
「流れ星……」
「え？」
「私は13代目前田敦子をよくは知らない。研究生だったその子しか知らない。……本当は00を卒業したくなかった。でも、あのときはそうするしかなくて。全部を選ぶことはできなかったから」
咲和さんはフウと一息。そして下唇を噛み、視線は低い。
話を続ける。卒業後、咲和さんは名医がいるという病院へ。手術をし、きついリハビリを行う。支え無しで歩けるようになったら走る練習。退院して、徐々に距離を伸ばす。
だが、これで終わりじゃない。目標はまたダンスができるようになること。手術の日までベッドで過ごす日々。体が鈍るのを感じながら、気づいたと言う。咲和さんはダンスが好きで、何より自分が楽しいから踊っていたんだって。
「美果子がいなくなって、私も卒業して。私たちがいなくなっても00は大丈夫なんだ……その現実を見たくなかった。怖かった。だから二年くらい情報を遮断した」
「……当時ゆいはんたちと話していました。卒業したのは仕方のないこととはいえ、連絡しにくいねって。そしたら……
「あーらら、気を使われてたか。懐いていた才加でさえ、なんの音沙汰もないから変だと思った。……ま、都合はよかったけどねぇ」
先輩が再び00を知ったのは星暦44年度だった。完全芸能禁止の藍花星で行った、芸能解放を求めたゲリラライブ。これにより藍花星では生活の潤いとして非合法の芸能を求める声があがる。政府は一部条件付きで芸能を解放することに。そのニュースをたまたま目にしてしまう。
あっちゃんは既にセンターノヴァで。ウチらの前から消える約ひと月前の出来事だったとか。咲和さんは輝きを一瞬しか知らない。すぐに流れてしまった星。
「今の話を聞いても、美果子に孤独なんてピンと来ない……でも。それは私が気づけなかっただけなのかもしれない。本当は、私には分からない何かを見据えていたのかな」
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年9月20日 10時
