ホグワーツ2度目の学生生活《秘密の部屋②》 (ページ4)

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バレンタイン(セブルスside) ページ4

A・クロッカスが去った後、机の上に置かれた小包を見る。
まさか彼女からこんなものを貰うとは...。
今年はロックハートのせいで心底気分が悪かったが、少々解消された気がする。

小包を開けると、そこには艶やかなチョコレートが幾つも入っていた。恐らく、彼女の手作りだろう。
一つ手に取り、光沢のあるそれを口へと運ぶ。

ちょうど良い甘さだった。甘過ぎず、かと言って苦すぎるわけでもない。
溶けにくくも濃厚な味だった。

漂うチョコレートの香りが私の記憶を蘇らせる。頭の片隅に思い浮かんだのは学生時代の思い出だった。
リリーとノアが手作りのチョコレートを贈ってくれたのだ。2人の作ったチョコレートは絶品であった。

そう、まるで彼女たちが作ったチョコレートのような。
いや、全くと言って良いほど瓜二つの味。

確か、ノアにお返しに渡したのは彼女が好きな店のチョコレートだった。
Ms.クロッカスへ日頃の感謝として用意していたものも同じ種類のものである。
チョコレートについては詳しくはない。そのメーカーのものしか知らなかっただけだ。
ノアはあの店のチョコレートが好きだと、リリーが私に教えてくれたことだった。

Ms.クロッカスは、喜んでいるだろうか...。
また私は、ノアと彼女を重ねているのだろうか...。