僕と比企谷小町。2/ ページ17
「どうかしたの？小町ちゃん」
「い、いえいえ！何もありませんよ！？」
「けど、顔真っ赤だったような」
「き、きっとあれです！今夕方だからですよ！夕日のせいです！」
いわれてみれば、今は夕日が真っ赤に染まっている。きっとそれのせいなんだな。
「そっか、勘違いかー、恥ずかしいなー」
笑いながら誤魔化すとまた小町ちゃんの顔が真っ赤になっていた気がする、風邪かな…
「そ、そういえば！兄は学校ではどんな感じですか！？」
「比企谷君？比企谷君なら…休み時間はよく寝てるね、あとは…授業中も寝てるかな…」
「うわぁ…なんか予想はしてたけど予想通りってのは小町的にポイント低いなー…
そうだ！野島崎さん！これから兄が何かあったら色々教えてもらえませんか？」
「うん、別にいいけどどうやって連絡をとれば……そうだ！小町ちゃん、ケータイの番号、教えてくれない…かな？」
「はい！わかりましたー！」
小町ちゃんはポチポチポチッと鼻歌交じりに軽快にボタンを押している、ボタン押すの早いなー…僕は友達がいなかったからロクにメールなんてしないで、四六時中外の鳥とか気に入ったキャラクターの絵とか書いてたからなー、そんなことをぼーっと考えていたら、番号を打ち終わったのか、小町ちゃんが僕のケータイを渡してくれた。
「お待たせしました！一応兄のメールアドレスも入れておきましたよー！」
「あ、ありがとう！」
可愛いし出来る子だなぁ小町ちゃん。こんな妹がいるなんて、比企谷君、羨ましい…
「野島崎さん！これからも、兄のことよろしくお願いします！」
「わかった！それじゃ、小町ちゃん、またね」
「はい！また！」
僕は再び自転車を漕ぎ出す。すでに日は沈みかけていて辺りは暗くなり始めていた、いつもならペダルが重く感じる上り坂も、今日は軽々と登って行ける。初めて友達ができた、その事実は少しこそばゆく、僕は時折頬を緩めながら、いつもよりも力強くペダルを漕いだ、家の近くまで帰ってきた時にはすっかり日は沈んでいて夜空には大きな満月が浮かんでいた。一度自転車を止めて、夜空に浮かぶ大きな満月をひと仰ぎしてから、僕は再び自転車を漕ぎ始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白椰(プロフ) - 初めまして!ちょー面白いですねっ!ラノベ読んで時々笑う比企谷に素直に気持ち悪いと思ってる夢主くん、最高でしたww本当に面白かったです! (2015年3月17日 3時) (
レス) id: 30bb29efb1 (このIDを非表示/違反報告)
陽華麗(プロフ) - はじめまして。俺がイルの小説読みました！彩ちゃんが出るの楽しみです！！ (2015年3月14日 16時) (レス) id: e34bf45f7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どおん！ | 作成日時：2015年1月31日 22時
