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太陽 冨岡義勇 ページ3

「冨岡さん」

 手を伸ばしたら、届く距離にAがいる。
 だが俺は伸ばす勇気がなくて、伸ばそうとした手を引っ込める。
 知ってる、柱の皆がお前に好意を持っている事くらい。皆より少しばかり仲が良いからって、別に浮かれている訳じゃない。

「どうしたんですか、冨岡さん」

 太陽のような笑みに手を伸ばすのが辛くなるんだ。
 俺が手を伸ばしてもいいのだろうか。Aを後悔させる結果に、ならないだろうか。Aに嫌われるくらいなら、このままずっといた方がいいと、思うんだ。
 前に笑われたな、誰だったかは忘れてしまったが。そんなに弱腰でどうするんだと。

「………………なんでも、ない」

 伸ばそうとした手はきつく隊服を掴んで離そうとしない。ああ、どうして。どうして俺はこうも情けないのか。

「…………冨岡さんの、馬鹿」

 その小さな声は俺に届かずに、世界が回って行く。俺と一緒にいるのも短くなって、Aを呼び止めたくなるのに、それは叶わない。
 それから、何日も過ぎた。

「………………遅い」

 久々の再開に水を差すように、Aは眉をつり上げた。
 俺は訳が分からず目を白黒させる。怒らせるような事をしただろうか。

「そうやって格好つけてればいいと思ってらっしゃるんですか?」
「…………何の事だ」
「私は、冨岡さんがこの手を取ってくださるのをずっと待っていました」

 お前は分かっていた? それをそ知らぬ振りをしていたのだろうか。
 何故か、そんなのわかりきっている。

「それなのに、冨岡さんはずっとずーっと……私を待たせるばかりで!!」

 何も言い返せる言葉が無かった。
 お前がそ知らぬ振りをしたのは、俺をずっと待っていたからなのだと、今思い知らされた。

「鬼殺隊はいつ死んだっておかしくないのですよ」
「…………」

 重々理解していた。その筈なのに。
 Aはぼろぼろと大粒の涙を流し、俺を叱る。俺も泣きたくなって、それでも泣く訳にはいかないから、咄嗟に手を伸ばした。

「馬鹿。遅いです、遅いですよ冨岡さん……!」

 Aを抱きすくめる。Aは泣きながら、ぎゅっと首に腕を回した。
 二人とも気のすむまでそうした後に、俺はAを離して真正面を向いた。

「…………愛している。……俺でも、いいだろうか」
「もちろんです」

 真っ赤に腫れたまぶたが愛しくて、口付けを落とした。

太陽 我妻善逸→←太陽 竈門炭治郎



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林檎好き系猫 - 私も好きです!!(突然の告白返し) リクエスト承りました! (2020年3月20日 10時) (レス) id: d94760e07b (このIDを非表示/違反報告)
いぇあ - 凄く好きです!!!(突然の告白)リクエストで、キメツ学園の炭治郎と日向ぼっこでよろしいでしょうか…? (2020年3月19日 18時) (レス) id: 578a6cecc2 (このIDを非表示/違反報告)
林檎好き系猫 - 凪さん» リクエストは随時募集中ですので、是非。キャラクター、希望であればシチュエーションもお願いします (2020年2月22日 11時) (レス) id: d94760e07b (このIDを非表示/違反報告)
- よろしければ、リクお願いしてもいいでしょうか? (2020年2月22日 0時) (レス) id: b575dccd32 (このIDを非表示/違反報告)
林檎好き系猫 - 碧佳さん» ありがとうございます。頑張ります。コメントは作者の動力源です(笑) (2020年2月7日 20時) (レス) id: d94760e07b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:林檎好き系猫 | 作者ホームページ:http://  
作成日時:2019年12月24日 22時

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