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太陽 神崎アオイ ページ15

「……貴女、誰?」

 綺麗だと、思った。憎くて仕方がない鬼であるはずなのに、目を奪われて、立ち尽くす事しか出来なかった。
 真っ白の肌に、真っ白の髪。誰よりも儚くて、このままだと消え入ってしまいそうだとも思った。

「私を殺すの? 私は弱いから、貴女でもすぐに殺せてしまうわよ」

 ちらりと、私を見てからそう言った。多分、私が普段刀を抜かない事を覚ったんだろう。なんて観察力なんだろう。
 その綺麗な金色の瞳に捉えられると、私は何もできずに、ただ見つめ返す事しか出来ない。その鬼は立ち尽くす私を、じっと見上げている。

「どうしたの? 鬼殺隊は鬼が憎いんじゃなかった?」
「そうですね。確かに鬼は許せるものではありません」

 唇が小さく動くと、鈴みたいな声が私の鼓膜を揺らす。心地よくて、もっと聞いていたかった。
 鬼は少しの間考えて、それから私を見つめて結論をはじき出したようだった。けれど、その鬼は笑う訳でもなく、ゆっくりと唇を動かす。

「貴女、……もしかして怖いの?」

 感情は感じられなかった。ただ、その事実を述べているだけのようで。何を考えているのかは、分からなかった。いや、何も考えていないのかもしれない。かえって私の胸に、刃物がグサリと深く刺さる。

「へえ。だから刀も持っていないのね」

 私のような鬼だけじゃないのよ、と言ったその鬼は、意図の読めない瞳で私を見つめた。
 私はふと、不思議に思った。弱いからって、一人ぽっちの人間ならすぐに殺せてしまうはず。どうして手を出さないの?

「私を殺さないんですか」
「そうね……人間は美味しくないの。血も嫌いよ。喉に貼り付いて、ドロドロするから」

 そういって、小さく口角を上げた。自虐的な笑みではあったけど、初めて見る微笑だった。とくん、と私の心臓の音が聞こえた気がした。

「ねえ、もし貴女に私を殺す術があるのなら、私を殺してくれない? 大丈夫よ、抵抗はしないわ」
「……信用が出来ません」

 本当は近付くのが怖くて、いや、恐怖を感じてる訳ではなかったけど、私は近付かなかった。すぐに消えてしまいそうで、もっと見ていたいと思ったから。

「あの……貴女は何人、人を殺しましたか」
「一人……そんなに殺してない事くらい、見たら分かるでしょう。こんな瀕死の鬼、そういないわよ」
「それなら、私の家に来ませんか」

 鬼は少しだけ目を見開いた。
 驚かなくても、家に呼ぶ理由なんて、たったひとつじゃないですか。

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林檎好き系猫 - 私も好きです!!(突然の告白返し) リクエスト承りました! (2020年3月20日 10時) (レス) id: d94760e07b (このIDを非表示/違反報告)
いぇあ - 凄く好きです!!!(突然の告白)リクエストで、キメツ学園の炭治郎と日向ぼっこでよろしいでしょうか…? (2020年3月19日 18時) (レス) id: 578a6cecc2 (このIDを非表示/違反報告)
林檎好き系猫 - 凪さん» リクエストは随時募集中ですので、是非。キャラクター、希望であればシチュエーションもお願いします (2020年2月22日 11時) (レス) id: d94760e07b (このIDを非表示/違反報告)
- よろしければ、リクお願いしてもいいでしょうか? (2020年2月22日 0時) (レス) id: b575dccd32 (このIDを非表示/違反報告)
林檎好き系猫 - 碧佳さん» ありがとうございます。頑張ります。コメントは作者の動力源です(笑) (2020年2月7日 20時) (レス) id: d94760e07b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:林檎好き系猫 | 作者ホームページ:http://  
作成日時:2019年12月24日 22時

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