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A 「...さん、ヌさん、ウォヌさん、」

『ん...?』








朝、気になってる奴の優しい声が聞こえた。
まだ...まだ好きって認めたわけじゃないから。
一応、気になってる奴。








A 「起きてください。朝です。」

『お前、どうやって部屋...』

A 「覚えてないんですか?
ウォヌさんが昨日、朝は俺を起こしに来いってスペアキー渡してきたんじゃないですか。」

『あー...そうだった。』









本当は自分で起きれるのに









少しでもこいつの気を引きたくて。









少しでも一緒に居たくて。









なのに、素直になれないから









『...水、』

A 「...はぁ。ちょっと待っててください。」

『......』

A 「はい、どうぞ。」

『...会社休まねぇ?』

A 「馬鹿ですか?
全く...先に行ってますね。...ちょっと、」









無意識に掴んでいたAの細い腕。
このままベッドに引きずり込んでめちゃくちゃにしてやりたい。でもそんな事したら、Aは俺から離れていくのが目に見えてるし、何よりスンチョリヒョンに殴られる。









A 「...調子悪いんですか?」

『...いや、なんでもない。』

A 「そうですか?じゃあ、お先に。
遅刻しないでくださいよ。」

『ん。』









待って









そう一言言えばいいだけなのに









その一言が出てこなくて。









いつも“ん”で終わるんだ。









素直になれないから、






自分の気持ちをはっきり言えないから、






みんな俺から離れて行く。





前に付き合ってた奴だって、俺は本気で好きだったのに、こんな性格のせいで私には興味ないんだって、振られた。









...でも、Aにならもう少し、









素直になってもいいのかもな。

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作者名:CIEL | 作成日時:2019年3月17日 20時

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