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31 / ryuto ページ32

大光とAさんは
学校の時間だから来れないし
親からの迎えも断った。


入院した時と同じように
俺は一人で退院する。


軽くなった鞄を持ち
真っ白で無機質な部屋を
じっと見回した。


何だかこの入院生活は
自分自身のような気がする。


閉じ込められていた
病室から出られるように
俺もだんだんと周りの人に
心を開けるようになった。


シーツについた血は
生きているという証。


でももう今の俺には
そんな証明は必要無い。
大切に思ってくれている
友達がいるから。


自分が自分じゃない
みたいで気持ち悪いけど
変われて良かった。
変わらせてくれて良かった。


『 ありがとう。』


静かな空間に
そっと言い残して
俺はその場を去る。


今の自分の
正しい居場所へと
足を急がせた。


Fin.

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六ノ神(プロフ) - このお話めっちゃ好きです!!更新頑張ってください! (2019年3月27日 22時) (レス) id: b1e03a8962 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるく | 作成日時:2019年3月19日 2時

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