白い部屋 ″ 作間龍斗 (ページ22)

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21 / ryuto ページ22

『 …いった…… 』

ドン、という
物凄い衝撃と共に
夢から目を覚ました。

カーテンから
眩しい光が差し込んでくる。

悪い事を考えながら
眠ってしまったせいで
変な夢を見た。

きっと一歩踏み出した時に
ベットから落ちたんだ。

床に打ち付けた
腰をさすりながら
ベットの上に戻った。

実際の俺には
あんな事をする
勇気などない。

自分が変わらないと
いけないという事は
勿論分かっているのに。
どうする事も出来ない。

〈採血の時間ですよ。〉

点滴の跡と採血の跡と
自分でつけた傷で
ボロボロになった腕。

白くて細長い腕は
割と自慢だったのに。
今じゃ人に見せれる
ようなものじゃない。

〈もう、辞めないと
いけませんよ？〉

『 …はい。』

口では言っても
行動に移せない。

俺を変えてくれるような人は
何処かにいないだろうか。

大光といる時は楽しい。

ただ、別れた後が辛い。
自分が惨めになるし
大光を羨ましく思ったりする。

『いて、』

こんなに傷だらけでも
針を刺される時は
痛いとしっかり感じる。

ボロボロな俺だって
ちゃんと生きてるんだよ。