白い部屋 ″ 作間龍斗 (ページ18)

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『あの…Aさん。
この間はごめんね。』

ベットに腰かけた
龍斗さんが
突然私を見上げて
謝ってきた。

「い、いや！
龍斗さんは
悪くないですよ。
私の方こそ
ごめんなさい。」

〈じゃあ
仲直りって事で！〉

何故か大光くんは
私と龍斗さんの
手を取り
握手をさせられた。

別に喧嘩をした
訳じゃないのに。

でもそのおかげで
自然と笑顔になれた。

「 …それ
何書いてるんですか？」

机の上に開きっぱなしの
ノートを指した。

『ああ、日記だよ。
ちょっと待って。
今から書くわ。』

スラスラと
ペンを走らせている。

今日の龍斗さんは
出会ってから
一番楽しそうだ。
体調も良いからかな？

〈大光くんが来てくれて
嬉しかった！ハート！
って書くんでしょー？〉

『書かねえよ。』

二人のやり取りを見て
つい笑ってしまう。

この時間が続いてほしい
気付けば
そんな事まで考えていた。

他愛ない話をたくさんして
夕食の時間まで
一緒に病室にいた。

〈じゃあまた来るわ！〉

「お邪魔しました。」

『二人ともありがとう。』

ひらひらと手を振る
龍斗さんの服の袖から
覗かせた白い腕には
まだ新しそうな傷が
いくつもあった。

あんなに楽しそうだったのに。
少しでも力になれないかな。