魔法 ″ 東京Jr. (ページ6)

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女の子の日 ″ 佐藤龍我ページ6

「ど、どうしよう… 」

僕は今、最上級に焦っています。なぜなら彼女がいわゆる「女の子の日」というやつで苦しんでいるから。

ベッドの上で縮こまっている姿は、見ているこっちまで辛くなってくる。

「コンビニ行ってくるね！
なんか欲しいものある？」

『んー…薬とあったかい飲み物。
わざわざごめんね？ありがと。』

本来なら、今頃映画デートをしている予定だった。

けれど、Aの体調を優先して中止にすることにした。映画ぐらい家でも見れるし、違う日に行けばいいからね。それより早くAの元気な姿が見たいんだ。

.

「薬…薬…
これ、かな？」

女性用の痛み止めの薬なんて、当たり前に買ったことがなく。コンビニの薬が売っている小さいスペースから見つけ出すのもやっとだった。

あとは、暖かい飲み物。何が痛みに効くんだろう。

さすがに恥ずかしくて店員さんには聞けないし、即座にスマホで調べることにした。

── カフェインは痛みを悪化！？

豆乳は痛みを緩和する！ ──

── お腹を温めることが効果的。

何十、何百、とたくさんの記事が出てきた。そして、さまざまな症状があることも分かった。女性は、すごく苦労しているんだな。僕には到底理解できないけど、想像するだけで耐えられない。

可愛い笑顔を見るために、ゆっくり休んでもらおう。

薬、ホットココア、紙パックの豆乳、カイロを買ってコンビニを出た。Aの役に立てたらいいな。

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『 Aー？
ただいま。』

ゆっくりと部屋のドアを開けて声をかけると、布団からひょこっと顔を出した。

「腹痛が一番酷いから
めっちゃ助かった…
ほんとにありがとう。」

Aはカイロをお腹に貼り、ちょびちょびとココアを飲み進めていった。

これで少しは楽になれるかな？

『あとはいっぱい寝て
ゆっくり休んでね。』

「龍我、」

『なーに？』

弱々しく手を握られた。

互いの指を絡めて、ぎゅっと握り返す。

もう片方の手で頭を撫でる。しばらくすると、Aは気持ちよさそうにぐっすりと眠っていた。寝顔も可愛いなあ。

「りゅ…が… 」

寝言で僕の名前を呼んでいる。

あまりにも可愛くてたまらない。彼女の看病をするのも、意外と悪くないもので。

さっきまで辛そうにしていたのが嘘みたいに、眠っている姿は楽しそうだった。目が覚めてからも、笑顔が戻ってるといいんだけど。

毎月、看病は僕に任せてね。大好きなAちゃん。