遠距離 ″ 向井康二 ページ21
『 A、』
朝食を作っていると、突然後ろから抱きしめられた。ここ最近、康二はよく甘えてくるようになった。仕事の都合で、来月から東京への転勤が決まったせいだろうか。
半年前、やっと夢であった同棲を始めることができた。まだ半年しか一緒に住めてないのに。
「 包丁使うから
危ないから離れて？」
『 ……はーい。』
明らかにしゅん、とした様子で離れていった。それから寝室に戻り、パジャマから着替えている。康二のスーツ姿って何回見てもドキッとしちゃうんだよね。それにスタイルが良すぎて羨ましいなあって。
『 Aも東京来てよ。』
「 えー、あかん。大学も
バイトも頑張らないと。」
『 だってさ、長すぎるやん。
一年も離れるって。俺らが一緒に
住んでる倍の時間もあるねんで？』
向かい合って朝食を食べる。もうすぐこんな朝も当たり前じゃなくなる。私だって寂しいけど我慢してるのに。康二にそんなこと言われたら、もっと寂しくなってしまうじゃないか。
『 Aと離れるぐらいなら
仕事なんか辞めてもええわ。』
「 …私は康二のこと
応援してるで？それに
せっかくのチャンスを
頑張ってきてほしい。」
『 あー……
もうそんなん言われたら
頑張るしかないやんか！』
単純なところが可愛らしくて、つい笑みがこぼれてしまう。
「 ほら準備しないと！」
『 うわ、ほんまや！
遅れるとこやった。』
この調子で大丈夫かな。一人になったら、遅刻とかしないかな。あ、毎日モーニングコールしてあげよう。ただただ康二の声が聞きたいからっていう理由もあるけど。
私が洗い物をしていると、ドタバタと後ろで準備をしていた。
「 忘れ物ない？」
家を出る前、必ずそう声をかける。
『 おん、大丈夫やわ。
じゃあ行ってきます！』
「 行ってらっしゃい！」
鍵を開けて、ドアノブに手をかけた康二は急に動きを止めた。
『 忘れ物あったわ。』
「 なに？……っ、」
首を傾げていると、不意に唇を奪われた。付き合ってから、何度もキスは経験しているのに。今だけは、いつも以上に胸が熱くなった。
『 行ってきますの、ちゅー。
これで今日も仕事頑張れる！』
得意げに笑いながら、家を出て行った。
一人になり、静まり返る家。あまりにも静かで、速くなった心臓の音が聞こえてきそうだ。
「 ずるいよ、康二は… 」
離れたくないし、離したくないのに。遠距離恋愛か。神さま、いや、上司は意地悪だなあ。
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ふーか - 琉巧くん!!!めっちゃ良かった(*^-^*)早速ありがとうございます!!!!!!!! (2019年3月7日 0時) (
レス) id: 20fb14c53f (このIDを非表示/違反報告)
姫(プロフ) - ふーかさん» ありがとうございます（ ; ; ）！ (2019年3月3日 22時) (レス) id: c768d60128 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - 彪太郎くんめっちゃ良かった！琉輝くんもすっごくかっこよかった!!!!斗亜くんと琉巧くんもお願いします！更新頑張ってください！ (2019年3月3日 9時) (レス) id: 20fb14c53f (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃか - 拓哉くんカッコよかったです！ (2018年9月5日 21時) (レス) id: 9bbc561512 (このIDを非表示/違反報告)
姫(プロフ) - みっちゃかさん» ありがとうございます(TT)是非書かせていただきますね！ (2018年8月19日 9時) (レス) id: 72babc1109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるく | 作成日時：2018年2月25日 9時
