【 歌い手 】保健室 。【 センラ 】

15 日目 ページ17

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side Skt



くっそ ､ まーしぃ許すまじ !!!




俺の家で行われたまーしぃとのお泊まり会 。


某大乱闘ゲームで負けた俺は 罰ゲームとしてお菓子を買ってくる任務を与えられた 。



なんで 雨ん中やねん …



出る直前に降り出した雨によって さらに気分が下がる 。



さっさと行って さっさと帰ろう 。




｢ や ､ だ …… ｣



ん … ? なんか聞こえた ?



小さすぎる上 ､ 雨音にかき消されそうなそれは 気のせいとも思えたが ､ なんとなく嫌な予感がした 。




小さくても聞こえたということは 近くやろ 。




少し歩いて見回すと ､ 明らかにやばそうなやつに手を掴まれて震えている女の子 。




…… どっかで ､ 見たことある … ?



さ ｢ あ ､ あのときの ? ｣


俺が保健室に入った瞬間 倒れたあの子 。




… 尚更やばいやん



考えてる暇なんてなくて 勝手に足が ､ 口が 動く 。




気付いたら 男の人はいなくなっていて ､ 代わりに女の子の身体が傾いた 。



… っあぶな !!!



咄嗟に 身体を支える 。ついでに傘も傾けて 。



さ ｢ 大丈夫やった !? ｣


｢ さかた ､ く …… ? ｣



あれ ? 俺の事 知っとるんか ?



とか あほみたいな事を思いついたが ､ どう見ても只事ではない彼女の状態 。




さ ｢ 歩ける ? ｣


｢ だ ､ いじょぶ ､ です ｣



震えながら答える彼女の姿と以前の姿 ､ そして少しだけ聞いたセンラからの話を含めて ､ ある可能性に辿り着く 。





対人恐怖症 ____





それなら親しくない俺が家まで送ったりしたら良くないんやろか




対人が恐怖なら 1人にした方がいいんやろな




名前しか知らないその恐怖症に ､ 俺は正しい対応が分からず 。




さ ｢ これ ､ 傘あげる !! 気ぃつけてな ! ｣




できるだけ明るく言って彼女の手に傘を握らせる 。





俺の家はすぐそこだし ､ 走ればほぼ濡れない ｡



お菓子は買えんけど ､ 事情を話せば分かってくれるやろ 。まーしぃは優しいやつやから 。




そう思って ､ 来た道を戻ろうとしたら 。




｢ ま ､ って … ぇ ｣


さ ｢ … へ ? ｣




微かに聞こえたその声に 思わず振り返る 。



渡したはずの傘は転がってて ､ 2人で雨に打たれる中 彼女が俺の服を控えめに引っ張った 。



予想外の行動に 思わず彼女の顔を見つめれば 雨に紛れて瞳から零れる雫 。





｢ ひ ､ ひとりに … しな ､ いで … っ ｣




…… 俺はほんまもんのあほやった 。

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