二人の《さくま》 (ページ24)

今日:13 hit、昨日:9 hit、合計:30,486 hit

・ページ24

『大元を辿ればね。本当は、2人でユニットを組んで歌手デビューする事。紅雨優は《絶対お兄ちゃんと共演してやる！》って、気合い入ってた』

目黒「共演…か」

『その夢目指して頑張ってて…でも、社長が…私から見れば父が拒んだ《大事な愛娘にそんな事させる訳無いだろ。ただの一般人と組んで成功するわけもない。ましてやボイトレもろくにした事無い奴が…》ってね。今でも悔しいよ。これが最後だったし』

阿部「最後って…目黒さんと一緒に目指そうと思っていた事が？」

それだけじゃない。
これでミスすると、容赦なく会社を継がされる…

『えぇ。その1週間後に彼女は死んだからっ…(涙目)』

渡辺「お前、この後どうすんの？」

『どうって…会社を継ぐしか…ないよ…』

朔間「俺の所来る？」

滝沢「零音っ！お前何を！」

朔間「滝沢くん。俺は大丈夫。彼女も心を入れ替えてる筈だから。大丈夫」

『零音…くんっ…私っ…(泣)』

朔間「大丈夫だから。俺もそんなに家に帰らないし。俺のマネージャーね？滝沢くん。雇える？」

滝沢「それは大丈夫だが…本当に良いのか？」

朔間「彼女も分かってる筈だから。これ以上何かしたらどうなるのかね？」

『ごめんっ…なさいっ…』

朔間「一つ聞いても良い？」

『何っ…？』

朔間「君の本当の名前は、何？」

本名…皆んな驚くだろうし…
言いたく…ない…な

高地「言いたく…ない？」

『私は…望月…望月星楽』

松村「望月って…月事務所の？」

『うん。月事務所の』

向井「関西にも月事務所あるで！関西支部になっとるけどな」

『関西…支部…』

向井「？そうやで？最近は誰も所属しとらへんらしいけどな」

『それだ…！これで会社が救えるっ！』

朔間「救えるっ…？何、戻るの？」

『そうよ。これが成功すれば大丈夫だから…それが終わったら…雇って貰えますか？』

滝沢「良いだろう。分かった、もう契約しておくか？」

『大丈夫です。落ち着いてからで』

朔間「皆んな、待ってるから」

松村「絶対、成功…させるんだよ？」

『誰だと思ってるんですか？当たり前ですよ』

絶対。やってやる。
戻って…朔間零音の手助けをして…改心するんだからっ！