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「 A、もうそろそろ行くよ 」
「 あ、うん 」
必要なものが入ったカバンを持ち彼の連絡先を削除した
クラスのグループチャットも抜けた
こんなことで忘れられたら苦労しないのに
タクシーから見る景色はいつもと同じ
「 お昼過ぎには着くから 」
「 飛行機で寝ててもいい？ 」
「 寝不足？ 」
「 少しね 」
アイマスクがカバンに入ってるのを確認しスマホを開いた
画面いっぱいに着信履歴
その相手は、侑だった
どくんと心臓が音を立てる
なんで、なんで
指をスライドさせ削除ボタンをタップし電源を切った
忘れなきゃ
空港についてお父さんとお母さんが手続きをしている間、私は引越し先でどうするか考えた
妊娠したと言ってもまだお腹は出ていない
当たり前だがベビー用品を買うのにはお金が必要
バイトをしたいけど下手に動いて流産......なんて考えると恐ろしい
「 やっぱりお母さんに相談しよ 」
頼れるのは両親だけだ
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作者名：ワコ | 作成日時：2017年10月30日 11時
