私の主役は私じゃない？

No.32 決断は知らぬ間に後ろにいる ページ35

夕方の鐘に、二人して時計を見る。

『わ、もうこんな時間ですか』
gr「やはり有意義な時間は経つのが早い」

総統は紅茶を啜る。めちゃめちゃ絵になりますやん。写真撮りたい。つかこの世界に写真ってあるのか？？監視カメラがあるから普及してないだけであるかもな。

『夕食の時間ですね』
gr「そうだな」

私もお腹空いた。ご飯食べてこよう。

それにしてもここまで盛り上がるとは思わんかった。グルッペン君5歳がちょこちょこ現れたの。こんなバリトンボイスで「核！」とかいってんだよ可愛すぎて脳みそ全身の穴から出るかと思った。

gr「・・・そうだ」
『？』
gr「俺の話に付き合ってくれた礼だ。一緒に飯を食おう」
『えっ』
gr「我々と一緒に」

楽しそうに笑うなぁ顔がいい！！顔がいいけど！何言ってんだこの人！？頭がいいはずなのに思わず馬鹿かって言いたくなる。

『い、いやいやいや、恐れ多いです！私はメイドで、貴方方に仕える身なんですよ！？同じテーブルで食事など言語道断でしょう！』
gr「いまは休業中だろう」
『メイドより格下です！』
gr「俺の友人としてなら問題あるまい」

問題しかねぇんだよなぁ！？

まず第一！さっき言ったとおり！

はい第二！我々と飯食って私のメンタルが持つわけ無い！イケメンが飯を咀嚼してるんだぞ！？ご飯になりたくなるだろ！！

そして第三！この国朝夕幹部揃ってご飯だろ！？つまりあの糞【見せられないよ】であるはなみも来るんだろ！？死んだじゃん二重の意味で。

gr「俺と友人になってくれないのか？」
『なりたいですけど話は別でしょう！』

ポロっと本音出たけど気にしない気にしない。

『何度も申し上げますがわたしは』
gr「お前は」

言葉を遮られ、思わず口が止まる。目の前の瞳は確固たるなにかを秘めている。

gr「そろそろ踏ん切りをつけるときではないのか」
『！』

胸の奥で何かがうごめく。この人のカリスマ性に初めて触れた気がする。こうやって兵を奮起させるのか。

gr「今のおまえになら変えられるだろう。俺達も、お前も、何もかも」
『うぅ・・』
gr「なぁ、キョウカ」
『・・・うぅ・・！！』

推しに名前を呼ばれ、出来るなんて言われたら。たとえ出来ない事でも挑戦したくなる。

gr「ま、無理にとは言わないがな」

何でここで突き放すかな、本当に人の扱いがうまい。

『・・ご相伴に預からせて頂きます』

私の答えに満足したのか、総統は笑みを深める。

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