私の主役は私じゃない？

No.29 名前は大切。はっきりわかんだね ページ32

kr「まじか」

くられ先生少しドン引きしてません？

kr「それに気づかなかったの？」

白衣から取り出したハンカチで私の頬を拭いてくれる。なんかめっちゃいいにおいするね。クロロホルムではないよね？？

『気付きませんでした・・』
kr「君城の中の待遇悪すぎじゃないか」

眉を顰め、声が低くなる。

『いや毎日ハッピーライフですけど』
kr「まじか」

なんで二度目のまじかが出たんですかね？？ハッピーライフだろあんなイケメンと同じ屋根の下で暮らせてるんだから。少女漫画といっても過言ではないね。

kr「・・あの中には君の名前呼んでくれる人はいないのか」
『名前自体知らない人が多いかと』

そらメイド一人の名前なんて覚えられないわな。あそこに何人いると思ってんだ。

『まぁ、先生がいるんで』
kr「嬉しいこと言ってくれるね」

名前を呼んでもらえる。それは自己を認識してもらえることに等しいと考える。一人でも私を認めてくれる人がいる。それがどれほどの助けになるか、先生にも検討はつかないだろう。

kr「キョウカちゃん」
『はい』
kr「キョウカちゃーん？」
『はい？？』
kr「僕は味方だからね」

何度泣かせに来るつもりだこの人！！人前で泣いたのだってこの人が初めてだぞ！！どれだけ私の初めて奪ってくつもりだ！！好き！！

『推しになりそう・・』
kr「お、そしたら僕の実験体に」
『それは断ります』

残念そうにするんじゃねぇ。私はまだ死にたくない。

kr「・・お、いいものあるじゃん」
『へ、うおっ！？』

先生は何かを掴んだかと思うと、それを思い切り広げる。シーツか！と理解したときには二人してシーツの部屋に閉じ込められる。

『何してるんですか』
kr「楽しいじゃん」
『ちょっと良くわかんないですね』
kr「えぇ〜？秘密基地見たくない？ワクワクする」
『秘密基地みたいの持ってるでしょ』
kr「確かに」

少年みたいく快活に笑う。釣られて私も笑う。

やっと笑ったねと言われ、それもおかしくて笑う。

『くーられせんせ』
kr「どうしたの、キョウカちゃん」
『何でもないっすよ、くられ先生』
kr「そうなの？キョウカちゃん」




『ラブラブカップルみたいで気持ち悪いですね』
kr「・・好みじゃないかなぁ」
『上から下までみてちょっと考えるのやめてくれません？ガチに聞こえる』
kr「え、ガチだけど」


『は？』
kr「え」


ランキング200いくつだったのに59になってる・・皆様本当ありがとうございます！！

No.30 呼び出しって何もしてないのに緊張する→←No.28 気づいた方はいらっしゃいます？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す