家政婦に転職しました【灰谷蘭】

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ぐっすり眠れた気がする。

いつものベッドよりも心地よくて。

まだ寝てたいけど、もう起きなきゃだよね。




『……ん、…んンーっ！はぁ……ふぁあ〜…。』




ベッドの中で思いっきり伸びをして、あくびして

また布団に包まるのって気持ちよくて好き。

まだ寝てたい。

起きなきゃと思いながらも

二度寝の体勢に入ろうと寝返りを打つ。



微睡みの中ふと目を開けると
既に起きてたらしい蘭さんが隣にいて
上半身だけ起こしてスマホをいじってる。




『……はっ…？？！らっ…！…な、なんで…！？』


蘭「………でっけェあくび。笑」


『…………、……！！！！』




蘭さん上裸。

私は……、、おそるおそる布団の中を見る。

服着てる！！！！

よし！過ちなし！！！！




蘭「……顔ぼろぼろで
風呂も入ってねー女襲う趣味ねーわ。
まったく唆らねぇ、1ミリも。出直してこい。」



……そこまで言わなくても。笑


そうだった。
私、蘭さんとこの家政婦になったんだった。




『…で、私はなんで蘭さんと同じベッドに…？』


蘭「お前が俺の服離さねーからだろーが。笑」




え……なにこれ。


私の手には、生地が伸び切って
ハサミでざっくり切られた蘭さんの服が
握りしめられていた。


話によると、夕べ私は大泣きしたあと寝落ちした。

私が蘭さんの服を離さず、
蘭さんは仕方なく私をベッドに連れて行き…

それでもなお、服を離さなかった。

何とか脱ごうともしたけどどうにも無理で
やむを得ずハサミで服を切って脱出したらしい。




やらかしてしまった。

何という大迷惑家政婦なのだ。





蘭「もういーから、早く仕事しろ。笑」



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