人の話を聞きなさい【ブルーロック】 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:449 hit

EPISODE1 ページ2

｢イガグリ潰す…！！！！！｣

ブルーロックでの入寮試験。
その声が聞こえるまで立ったまま寝てた俺、胡桃坂A。

いや寝てたくせになんで生き残ってるんだ、俺は。

キレ散らかしながらシュートフォームに入ったオレンジくんをぼけーっと見ていたら不意に肩の上に手が乗った。

｢悪ぃなチビすけ！南無三！｣

『あ…？』

思いっきり羽交い締めにされ、身動きがとれなくなる。

ただ寝起きゆえに俺の頭は正常に機能していなかった。

おいおいちょっとまってくれ。

イガグリって誰？俺？
俺の髪そんなにトゲトゲしてたっけ？
寧ろサラッサラのストレートヘアですけど？
あれ？俺盾にされてる？なんで？

おかしい。なんじゃこれ。
そう思って目の前を見ると既にゼロ距離までボールは迫っていて。

『……うぎゃ』

顔面にボールがクリーンヒットした俺はものの見事に吹っ飛んだ。

そりゃもう面白いぐらいに。

ガン、と鈍い音で後ろの壁にぶち当たったのが分かる。

口からは血が垂れていた。

｢あ、わり…お前じゃねぇ…｣

コロコロと目の前に転がるサッカーボール。

俺の横にはヒエッと声を上げた坊主。

目の前には焦った顔で謝るオレンジ頭。

『てめぇ…よくも俺のご尊顔を……！！！！』

『つーか誰がイガグリじゃ
歯ァ食いしばれコラァ！！！！！！！！！！！』

｢いってぇ！？！？！？！？！？！？｣

ここでの俺の行動は正しかったと思う。

寝てた人間を羽交い締めにして盾にするなんて卑怯だ。
スポーツマンシップのスの字もない。

正々堂々と戦えという意味を込めて殴り飛ばした。
俺の行動は正しかった。

ただ一つだけ間違えていたことがある。
俺はイガグリ＝自分だと思い込んでいた。

だから殴ったのだ。

オレンジくんを。

『テメェの方がイガグリだろうがこのオレンジタワシ頭がァ！！！！！！！！！！！』

｢だからお前じゃねぇって！！！！｣

『うるせェェェェ！！！！！
ファックオォォォォォフ！！！！！！！！』

｢いっ…！？
くそ、人の話を聞けお前！！！！！！！！！｣