青地図を描いて【我妻善逸】【鬼滅の刃】 (ページ5)

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白紙ページ5

あれ。

「輝は！」

輝は…？
輝は、どこ？

「輝？誰だ。」

輝になにか…
バクバクと心臓が鳴り出す。
こんな怖いところにアリアをひとりにするはずがないもの。
すぐに迎えにきてくれるはず。

アリアの言動にいぶかしみながらも天元様は言う。

「医者を呼んだ。とりあえず診てもらえ。」
「あの！」

いてもたってもいられなくて、
思わず声を上げた。
言ってからあっと思ったけれど、天元様は次の言葉を待っている。

おずおずと切り出すアリア。

「黒い瞳の男の子…ちょっぴり怖めの、見ませんでした？」

天元様が、何か考え込み始める。

何だろう。
アリア、まずいこと言ったかな。

不安に押しつぶされそうになる。
視界が滲みかけたところで、

ぽん、

頭の上に、温かい、大きな声で手が置かれた。

息を呑む。
見上げる。

でも予想に反して、
柔らかい笑み、瞳には悲しげな光をたたえている。

「落ち着け。」

大丈夫だから、

今から来る医者は、あの現場の怪我人を見ている。
もし、そんな奴がいたら覚えてるはず。

優しい声色でゆっくり諭される。
張り詰めた糸が、緩んでいく。

なんだか安心して。

うとうとしながら、

頭の片隅で、
いい人なのかもしれれない、なんて思った。