【文スト】クール系少女は敦と同じ孤児院出身です！

3.人間万事塞翁が虎 ページ3

敦side

梅干しに刻み海苔…それに夕餉の残りの鶏肉…

そいつを熱い白湯に浮かべ、塩昆布と一緒にかきこむ…

美味かったなぁ

孤児院の台所で人目をしのんで食った茶漬けは…

たまにあの子に見つかったけど…

ﾄﾞｻｯ

敦｢グエッ、だめだ腹減って死ぬ｣

貴｢中島、どうした潰れたカエルみたいな声出して｣

彼女は｢喜多見綺羅璃｣僕と一緒に孤児院を追い出された子だ

さっき言ったあの子とは彼女の事だ

敦｢凄いよ綺羅璃ちゃんお腹空いてないの？｣

貴｢流石に腹は減っている。頑張って倒れんの抑えてんだよ、あとちゃん付けやめろ｣

敦｢その精神を分けて欲しいよ｣

貴｢無理だ｣

ですよね〜

僕の名前は敦

故あって餓死寸前です…

孤児院を追い出され、食べるものも寝るところもなくもちろん金もなく

敦｢うえぇ｣

かと言って盗みを働く度胸も無く、こんな所まで来てしまった

しかし！最早生きたければ、盗むか奪うしかない！

｢出ていけ穀潰し！お前などこの孤児院にも要らぬ｣

｢どこぞで野垂れ死んだ方が世間様の為よ｣

敦｢うるさい…うるさい…うるさい！うるさい！うるさーい！｣

ﾄﾞｻｯ

敦｢えっ｣

貴｢敦悪い俺もそろそろ限界だ。あとお前も充分うるさい。｣

敦｢ごめん…でも、野垂れ死ぬもんか、僕達は死なないぞ…絶対に…何としても生き延びてやる｣

貴｢うん頑張れ俺少し寝る｣

敦｢分かった｣

貴｢ん…おやすみ〜zzz｣

敦｢良し、この次に通りかかった奴を襲ってそいつから金品を奪ってやる！

はっ｣

ブオーン

敦｢流石にこれは無理だ、空腹じゃあ追いつかない……次！｣

1 2 3 4 1 2 3 4

敦｢と、トレーニング中の軍警がサイフを持っているとは思えない…次だ、次こそ絶対に…ハッ、今度こそ！おっ｣

何あれ人が流れてるんだけど

敦｢いやぁ、これは流石にノーカンでしょ｣

あの人回りながらゴポゴポ言ってるんだけど…

敦｢のっノーカンにさせてください…｣

カラスが寄ってきた!?

敦｢のっノーカンに〜！ええい！｣

ｻﾞｯﾊﾟｰﾝ

敦｢はあっはあっはあっはあっ｣

貴｢どうした！｣

敦｢あっ綺羅璃ちゃん起こしちゃった？｣

貴｢いや大丈夫だ、ってだからちゃん付けやめろよ！｣

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