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ep13 ページ13

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慣れないピンヒールに足をぐらつかせながら、彼の腕にしがみついて階段を降りる。




「あ、もっとゆっくりしてってば、」


「だから、そんなに歩きにくいなら抱っこしてあげるって」




彼のぶっ飛んだ思考はたまに話にならない。




「ずいぶん仲良しなのね」



階段を降りたところに立っているきれいな女性が僕たちを見ておかしそうに笑っている。

あの方は見たことがある、



「女王さまだ、」




彼から手を離して、深々と頭を下げた僕の腕を彼が引っ張る。

ほんとは地面に正座しなくちゃいけないのに、こんな高い位置から頭を下げるなんて失礼すぎる。



「ゆうり、」



どつしよう、ここから転がり落ちるべきなのかな、



「ゆうり、俺の母さんなんだからそんなちゃんとしなくていいから」


「........でもっ、」




顔を上げた僕を見て、女王さまは優しく笑った。

だいすきな彼の笑顔によく似ていた。




「今日は来てくださってどうもありがとう。りょうすけは変な子だけど、女の子を選ぶセンスはあってよかったわ」





めちゃくちゃいい人だ......!



肩の力がふっと抜けた。

嫌われたらどうしよう、とか。結婚はダメだって言われたらどうしよう、とか。


嫁姑ってどんなのだろう、とか。



まだ結婚が決まったわけじゃないのに先走っていろんなことを考えてしまっていた。





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女王さまは僕にステキなご馳走を用意してくれて、

「りょうすけを好きになってくれてありがとう」と言った。



僕はなぜか泣き出してしまって、すかさず彼がハンカチで僕の頬を拭いてくれた。




こんなにすてきなお家で育った彼のことが、すき。


彼に関わった全ての人がすきだと思った。







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作者名:なん | 作成日時:2017年4月28日 0時

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