ブラコン2匹 ページ23
「へー、要はそのAって子と8年越しの再会をしたってわけかー。ふーん」
「だから別にどうってことはないんだけどさ♦ていうか話せって言ってきた割に反応悪いね♠」
「惚気話を話せなんて言ってないし」
「…キミ、だいぶ飲んでるよね？」
ただ言われた通りAとの出会いやこれまでのアレコレを話しただけなのに、今のどこをどう聞いたら惚気話になるのだろうか。
やれやれと呆れながらもヒソカはウェイターに水を頼む。
ああもう早く帰りたい。こうして飲み始めてもう4時間は経っている。Aはちゃんと夕飯を食べただろうか。一応出るときにオムライスを作って置いてきたから大丈夫だと思うが。
そういえば、イルミとAには何かと共通する部分がある。とヒソカはふとそんなことを考えた。
二人とも殺しを生業にしていて、愛する弟がいて、濡れたように黒い髪をもっている。
それでもAはイルミと違って自分の仕事を誇りにしているわけじゃないし、弟から恐怖されていないし、イルミの黒髪は弟のために琥珀の光に染まることはきっとない。
「その子もキミと同じで弟を溺愛してるんだけど、やっぱり弟っていうものは何をしてでも守りたくなるものなの？」
「それは勿論」
ヒソカが質問すればイルミはむくりと起き上がり、タンブラーに浮かぶ氷を指でくるりと弄りながら頷く。
「家族は全員大事だけど、やっぱりキルは特別。キルの為なら周りの人間全て殺してでも守りたいし、キルの心に俺が永遠に遺るなら俺は死んだって構わないから」
「そういうものかい♠」
平然として答えるMr.ブラコン代表イルミ選手。物騒この上ない会話に周りの客やバーテンダーはギョッとした顔をするが、気にする様もない。
確かにイルミは弟のことに関してかなり思考がブッ飛んでいるが、しかしMissブラコン代表のAだって弟のために向いてもいない人殺しの道を歩むことを決めたのだから、ブッ飛び具合もやはり似たもの同士だろう。
「ていうか、珍しいよね」
「何が？」
「そうやってヒソカが他人のことを饒舌に喋ることってあんま無くない？」
「そうかい？」
首を傾げるヒソカにイルミも首を傾げる。
「まぁ、気づいてなかったっていうなら、別にいいけど」
意味有りげに軽く頷くと、イルミはもう一口琥珀色の液体を喉に流した。
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がー(プロフ) - 大好きです!!!更新待ってます！！！！！ (2019年11月11日 22時) (
レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)
柴山犬(プロフ) - Kさん» コメントありがとうございます。今回の作品は二人のそこはかとない切なさを表現していきたいと思っていたので、Kさんにその切なさを感じていただけて本当に幸いです。のろのろ更新ですが、どうぞ最後まで見守ってやってください…！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: f9baa8e5f4 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - 初めまして。切なくて素敵なお話にとても引き込まれました...！応援してます。 (2019年6月14日 10時) (レス) id: 8eeddf36f5 (このIDを非表示/違反報告)
柴山犬(プロフ) - 流-ながれ-さん» コメントありがとうございます！文字数は本当に毎回ヒイヒイ言いながら書いてます……。それでもこればっかりはどうしようもないので、書き手の技量の見せ所なのでしょうね…（遠い目）更新頑張ります！どうかどうか、最後までお付き合い下さいませ…！ (2019年4月9日 1時) (レス) id: f9baa8e5f4 (このIDを非表示/違反報告)
流-ながれ-(プロフ) - 文字数には自分も四苦八苦してますw色々大変ですよね…更新待ってます！ (2019年4月7日 17時) (レス) id: f58151c97d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴山犬 | 作成日時：2019年3月12日 22時
