エースのガールフレンドだと思っていたら本当はそうじゃなかった子の話 (ページ20)

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＃２０ページ20

「そもそも俺の中でAは、ガールフレンドじゃなくて、恋人なの。」

「？？？」
何が違うのだろう。

「俺の中では、ガールフレンドは告られたから付き合ってただけのオンナノコ達のことで、Aは恋人。
そもそもAのことは他の奴らと同じくくりに入れてない。AはAだし、女として生きていても男として生きていてもどっちでもおれの大事なAだから。」

わかりにくいことしてゴメン、
そう締めくくり、私の顔を覗き込む。

「…いまみないで」

思っていたよりエースが私のこと想ってくれていたことに驚きと喜びが込み上げる。
「…顔、赤くね？」
意識してしまい余計に真っ赤になる私を見てエースが呟く。
「かわい…」
「やっめ…」
とっさに顔を隠そうとした手を「隠さないで」と掴まれる。
必然的に見つめ合う形になってそれすらも照れる。

「ね、(なま「っおい！エース！！Aから離れろ！！！！」…は？」
勢いよくドアを開け、デュースが入ってきた。

彼の目の前には両腕を掴まれてめちゃめちゃエースと密着している真っ赤で涙目の私。

ウン、勘違いしちゃったんだろうね。

だけどね、

「デュース…」

タイミングが悪い、悪すぎるよ…
ユウも申し訳無さそうにデュースの後ろに立っている。
「マジでお前さぁ…」
エースが大きなため息をつく。

いくら察しが悪くてもこの部屋の微妙な空気を感じたのかデュースはえ？？という感じの顔で周りを見回す。

「ユウ？」
「これでも頑張ったんだよ…」
気まずそうに目を逸らす。
「え、どういう事だ？？？」
「鈍感で恋愛経験ゼロのデュース君にはまだ早かったかな〜？」
なんて煽りながらエースがデュースの方へ歩く。
掴まれていた両腕も離されて自由になる。
「ぁ」
ちょっと寂しくなって無意識に伸ばしかけた手を、振り向いたエースが優しく引っ張って耳元で囁く。
「これから先もAを離す気ないから。」

覚悟しとけよと言って再びデュースの方へ向かう彼の後ろで頬がみるみる赤くなる。
「っ」
顔を赤くして黙り込む私を見て、からかうユウとエース、本気で体調を心配し始めるデュースがいたとかいないとか。