エースのガールフレンドだと思っていたら本当はそうじゃなかった子の話 (ページ15)

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＃１５ページ15

エースside

夕食を食べ終わったあたりの時間、談話室にいるとAから連絡が来た。
少し嬉しくなって場所なんて気にせずにすぐに電話に出た。

内容は散々だったが。

別れる？そんな事するつもりは無い。

「ガールフレンド」はもう懲り懲りだけど彼女は違う。
大事なんだ。
絶対に離さない。
電話を一方的に切られてから少しの間フリーズしてしまった。

――絶対に今会いに行く。

そう思った。
寮の決まりなんて関係ない。
関係ないが、首をはねられるのはもう嫌なので寮長に許可を取りに行く。
「寮長、」
「なんだい、さっきの電話となにか関係があるのだろうね。」
「…はい」
「なにかあったんだろう。怒らないからボクに話してくれ。」
そんな暇ねぇよと言いそうになったが我慢する。
談話室から出て事の顛末をかいつまんで話す。

「…しょうがないね、外出許可を出すには遅いから外泊許可にしてあげるよ。」
「え、許可、してくれるんすか」
「ボクをなんだと思っているんだい、君たちが気まずくなるとハーツラビュルも困るんだよ。」
くれぐれもAに下手な真似をしないようにねと念押ししてくる。

俺Aって言いましたっけ。

顔に出ていたのだろう。
わかりやすいんだよ、と彼は柔らかく笑う。
ほら行っておあげと言う寮長に感謝を伝えオンボロ寮へ向かう。

「念の為デュースもついていってくれ」

と言う寮長の声は幻覚だろう。

……そうであってくれ。