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「おーい時間やで」



かけていたはずのアラームではなく、籠った声がわたしを起こす。

ボヤける視界には夢で見た彼の姿。
朝日が眩しい。



「A」



再び顔にかえた布団を那伊留はめくり、ついでにデコポンもしてきた。



「痛いアホ」



仕返しや、って寝ぼけたまんま那伊留を引っ張って。



「おうわっ」



あ、でも引っ張る力強すぎだった……?

ベッドが弾む感覚がして、気づけば目の前にデコポン野郎の顔。
その瞬間胸がドキドキして、バクバクして、ああ、もう、



「……耳真っ赤」



那伊留やって真っ赤やし、

ふわり笑うとわたしの髪の毛を撫でる。
温かい手が伝わってきて、どこか居心地がいい。



「アホ」



どこで買ったのかやけにお洒落な古着を着た那伊留を叩く。

照れ隠し、なのかもしれない。



「アホアホアホアホ」



アホって言っとけばいつものおちゃらけになるやろって
そんな考え今回は通じなくて、なぜか唇をキュッと閉じてわたしを見つめてくる。
恥ずかしくて顔を背けるけど、それでも視線を感じる。



ギシッ、そんな音がした。




「な、那伊留?」



少しだけ感じる那伊留の重み、
吐息が肌を掠める。



「、あのな?いつまでも友達気分でいられたら困んねん」


「っ」



大きな目に吸い込まれそう。



「俺、男やねんで?」



その目はいわゆる雄の目で。
少し怖くて、初めて見る那伊留だった。



「…な、那伊…っ」



布団のなかで指を絡められ、一瞬で唇が重なった。

長くて甘くて、少しずつ目を閉じてわたしは受け入れた。



さっき見た雄の目は少しカッコ良かったな、なんて思いながら。






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えいみ(プロフ) - 涙花。さん» 待ちます待ちます!!! (2017年7月9日 15時) (レス) id: 98fff2d12b (このIDを非表示/違反報告)
涙花。(プロフ) - えいみさん» fin.にしていますが実はまだまだ書くつもりですのでお待ち頂ければありがたいです、! (2017年7月9日 0時) (レス) id: f3e5fdec58 (このIDを非表示/違反報告)
えいみ(プロフ) - 終わっちゃったー!!!ビックリしました! (2017年7月8日 8時) (レス) id: 98fff2d12b (このIDを非表示/違反報告)
えいみ(プロフ) - 涙花。さん» いえいえ、これからも頑張ってください! (2017年7月6日 20時) (レス) id: 98fff2d12b (このIDを非表示/違反報告)
涙花。 - えいみさん» レス共に更新、遅くなり誠に申し訳ありません。素敵なコメントありがとうございます(^^) きゅんとなる純粋なお話にすることが第一目標でしたのでそういっていただけ嬉しい限りです。 (2017年7月4日 22時) (レス) id: 3f199a5903 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涙花。 | 作成日時:2017年3月10日 7時

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