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「A、おはよ」


「んぅ……黙れぇ」



眩しい朝日。

少し肌寒い気温。


好きなアイドルの出ている夢をみていた。



わたしが起きない理由なんてそこらじゅうにコロコロと転がっている。


だから、起きたくない。まだ寝ていたい。




「ほーら」


「寒いっ」



いつものように、布団を剥がされて。

履いていたズボンは寝相の悪さのせいで、膝までたくしあげられている。



「もう3月やで?じゅうぶん暖かいやろ」


「布団返して」


「だーめ」



若干ボヤける視界のなかで、布団を綺麗に畳む幼なじみの姿、もといわたし専用の目覚まし時計。




「いま何時やと思ってるん」


「えー何時ー?」



女子力の欠片もなく、ポリポリ頭をかく。

那伊留の前だから出来るんやけどね。



「7時30分」


「うっそ」


「ほんま」



はよ準備するで。なんて言って制服を投げられる。

やっぱり那伊留はもう着ていて、一体何時に起きとるんやろかって不思議に思う。



「ねえリボン無い」


「えー昨日あったやろ?」


「うん。那伊留、知らん?」


「んー見てへんよ?」



そっかぁ。どうしよ。


ようやくベッドから出て、キョロキョロ探す。



「あ、眼鏡眼鏡」


「ほい」


「あーと」



那伊留から受け取った黒色の眼鏡をかけて、もう一度。



那伊留も探してくれるけど、ああ、もう全然見つかんない。





「ネクタイ貸そか?」


「あほちゃうん」


「ふははっ」


「笑い事ちゃいますー」


「あ、これちゃうん?」


「ちゃうちゃう」


「ほなこれ」


「やからネクタイやない」


「えー」


「うあっ、」


「ちょ、大丈夫か?」


「誰や、ここに箱なんてもん置いたやつ」


「Aさんです」


「……はいはい」




ひっくり返した箱を片付ける。


それでも笑顔が絶えないのは、きっと那伊留のおかげ。





「あ、これちゃう」


「、だからネクタイや、……わ、これこれ!」


「いぇーい」


「いぇーい」




朝から騒がしく、世話しなく。


そんな朝が、小さく大きな幸せ。






.

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えいみ(プロフ) - 涙花。さん» 待ちます待ちます!!! (2017年7月9日 15時) (レス) id: 98fff2d12b (このIDを非表示/違反報告)
涙花。(プロフ) - えいみさん» fin.にしていますが実はまだまだ書くつもりですのでお待ち頂ければありがたいです、! (2017年7月9日 0時) (レス) id: f3e5fdec58 (このIDを非表示/違反報告)
えいみ(プロフ) - 終わっちゃったー!!!ビックリしました! (2017年7月8日 8時) (レス) id: 98fff2d12b (このIDを非表示/違反報告)
えいみ(プロフ) - 涙花。さん» いえいえ、これからも頑張ってください! (2017年7月6日 20時) (レス) id: 98fff2d12b (このIDを非表示/違反報告)
涙花。 - えいみさん» レス共に更新、遅くなり誠に申し訳ありません。素敵なコメントありがとうございます(^^) きゅんとなる純粋なお話にすることが第一目標でしたのでそういっていただけ嬉しい限りです。 (2017年7月4日 22時) (レス) id: 3f199a5903 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涙花。 | 作成日時:2017年3月10日 7時

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