＊ ページ24
Aside
__まさか、また戻ってくるなんて__
そんな声と共に目を開ければ、白いワンピースを着た女の子。
ふわふわとした意識の中、周りを見渡した。
え、……？
＿＿＿私の家、………？＿＿＿
じゃあ、この目の前の子は…？
「びっくり？」
『え、……』
「私の目、茶色でしょ？」
『え、あ、…うん』
「茶色の目は『普通』なの。あなたは珍しい。」
『んんっ？』
首をかしげる私に、『普通』の女の子は言った。
「あなたたち、現実世界の者は知らないのかもしれないね。
目は人の感情、つまり、苦しみ・悲しみなどで変わってしまうもの。
あなたは青と緑。
青は悲しみと苦しみ、
緑は優しさ、願い………
“幸せ”
でも今は違う。
見て。あなたの目は
黒。黒には意味などないの。」
『っ、ええええ！？ど、どうして！？』
「黒はいろんな感情が入り混じって、黒にしか染まんなくなっちゃった、みたいな。」
『ええええ…！！！……………あの、現実に戻してくれませんか…？』
「それはできないわ。どうして戻ろうとするの？」
『私の幸せはそこにあるんです。
だから、戻って元の目に、なって
仲直りして、また笑いたいんです。』
「ごめんなさい、出来ないわ。」
そう言った女の子は途端に体中にアザをつけ、ぼろぼろの服を着た、女の子へと変わってしまった。
『え、……………！？』
「もう一度、こちらへ来てしまった。こんな機会、二度とないわ。
だから、
＿＿＿私と変わってちょうだい？＿＿＿」
『あなたはっ……』
「ふふ、
さよなら、今の私。
私は今の私に変わって
幸せになるのよ
あなたばっかりいい思いして
私にもそれをちょうだい？」
『ちょ…！！！まっ…！？』
「あなたは今日から“ワタシ”よ。
さよなら〜」
女の子はにやっと笑ってそう言った。
思い出した。
あなたは
昔の私でしょ？
また意識を手放した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 474人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悠 - 頑張ってください！ (2020年6月11日 21時) (
レス) id: d1b64e1eb9 (このIDを非表示/違反報告)
海月 - この小説凄い面白くて何回も読み返してます！笑更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年2月15日 1時) (レス) id: bbc4110774 (このIDを非表示/違反報告)
恋花ﾚﾝｶ - すとぷりすなーなので嬉しいです!私も中学生なのですが学校で辛いことがあったため学校を休んだりします。ですがなのさんほどではないと思いますが本当に辛くて今でもたまに引きずってしまうことがあるのでなのさんは前に進んでいて凄いと思います。長文失礼しました。 (2019年12月18日 10時) (レス) id: 1d9528a5e6 (このIDを非表示/違反報告)
千春 - 夢主ちゃんがこれからどうなるのか、気になります。更新頑張ってください、楽しみにしています。 (2019年12月13日 16時) (レス) id: c6d92e4cb3 (このIDを非表示/違反報告)
のの - 面白かったです。続きが気になります。更新楽しみにしています (2019年12月3日 22時) (レス) id: ee4a1ee787 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なの | 作成日時：2018年8月17日 14時
