帰りたい ページ47
Aside
何を迷っていたのかわかんないや。私、心から笑ってたじゃん。幸せだったじゃん。楽しいことばっかり。
愛されちゃいけない、なんてお母さんが言っただけ、みんなは言ってない。
昔とは違って本気で愛してくれた。私を信じてくれた。
私もみんなを信じないと。帰らないきゃ、裏切っちゃうね。
＿＿＿帰りたい＿＿＿
ここに来てから初めて、やっと、そう思った。
でも、帰り方がわかんない。んー…手を伸ばしても届かない、真っ白な世界。
寂しい。久しぶりの感情だった。一人でいたいなんて自分に嘘ついてたから感情自体が久しぶり。
どれぐらい日がたったんだろう、そう考えていると、ふいに手を伸ばした先から声が聞こえた。
「A！目を覚まして！」
聞きなれた、少し低めで、必死に呼び掛けるそらるさんの声。
「Aちゃんｯ…！」
いつもの高い声で泣きながら私を呼ぶまふの声。
「A、早く目を覚まして…一日たってるよ…？」
涙混じりにいつもの低めの声で一日たった、と知らせるうらたん。
「Aちゃん…昨日ね、歌を投稿したんや！早く、聞いて…」
少し、ハスキーぽいような明るい声色で曲を流すさかたん。
「まだ、足、肉つけてぇや。…はよ、目ぇ覚ませよ…」
「変態ですよ、それ。Aちゃん、昨日はうらたんが〜…」
私の横に座って、話しかける、低めでカッコいい声のまーしぃと、透き通るような声のセンラマン。
「また、笑ってや…たくさん遊ぼうや！」
特徴的な、色気がある声で遊ぼう、と目を閉じている私を誘うるすすん。
「Aちゃん、みんな心配してるよ…？玲ちゃん、とか…」
優しい声色で私の猫、玲ちゃんとの動画や写真を見せる歌詞くん。
「Aちゃんっ…また話そうねっ…」
「たくさん、話そう…？遊びにおいで…？目、覚ましてっ…！」
泣きながら話しかける、優しく、カワイイ声のそーくんと、高めでカッコいい声のEveくん。
なんだ、大丈夫、十分愛されてるよ…心配なんていらなかった…
「A、今日はね…」
「そらるさんがー！」
「ちょ、まふ…A、目、覚まして…」
今日はそらるさんとまふがいた。あぁ、帰らなきゃ。
そらるさん達の声が聞こえる方へと手を伸ばした。その手を誰かが掴んだかのようにふわっ、という感覚がのこり、真っ白だった世界が真っ暗へと変わった。
重い瞼をあげるとそらるさんとまふの驚いた顔。
ただいま、みんな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 606人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅華 - コメント失礼します。莉犬くんの一人称"僕"じゃなくて"俺"です。そこがやっぱり気になっちゃって（＞人＜） (2019年10月10日 21時) (
レス) id: bbc4110774 (このIDを非表示/違反報告)
秋原カエデ - 面白い！笑っちゃう時もあるし、ドキドキする時もある。てかこれ程アンチを潰したいと思ったことないです(真顔) (2019年8月8日 23時) (レス) id: bda1ec34af (このIDを非表示/違反報告)
でんぷん糊 - すみません、Eve君の一人称は俺じゃなくて、僕です。 (2019年5月29日 22時) (レス) id: 54b9eda35c (このIDを非表示/違反報告)
ほわほわセンラー(プロフ) - 面白いですね(*^_^*) (2018年8月25日 0時) (レス) id: f570358587 (このIDを非表示/違反報告)
オラフ(プロフ) - 高く〜のところひとりで笑ってしまいましたトイレットペーパーのところも面白かったですこれからも頑張ってください (2018年8月22日 2時) (レス) id: 938ccee61b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なの | 作成日時：2018年5月20日 23時
