27話 歌ってくれたら ページ29
ころんside
夕雅「話したら、軽蔑しますよ。きっと…ころちゃんさんが、
そういう人じゃないことは分かってます…でも…佳兎に話すのだって、
時間かかったのに…ころちゃんさんを、信じてはいます。
っけど、嫌われたくない、です…ころちゃんさんに…」
こ「…言い切れないけど、大丈夫だと思う。話したくないなら、別にいいけど…」
口を堅く結んで、くっついている夕雅くんの頭を、そっと撫でる。
身体はまだ、震えたまま。…無理に、聞かないほうがいとは思うんだけど…
僕のことを知ってくれている、と言っても、放送とかの
僕しか、彼は知らない。僕も僕で、夕雅くんのことを
何も知らない。…夕雅くんのことで僕が知ってることなんて
すとぷりのメンバーの中で一番僕を好きでいてくれていること。
佳兎くんを大事に思っていること。それだけだから。
そんなすぐに、話せるわけがないよ。うん。僕だったら、話せない。
夕雅「…ころちゃんさん、何か…歌ってくれませんか?」
こ「へ、歌う?僕が?」
夕雅「コクン…佳兎に話す前も、すとぷりの曲、聞いていたので…
ころちゃんさんが、歌ってくれれば…言える気が、するんです。」
こ「…分かった。僕でいいなら歌うけど…何がいいの?」
夕雅「…敗北ヒーロー…」
こ「敗北ヒーローかぁ…了解!」
1人のリスナーさんの前でアカペラで歌う敗北ヒーロー。
少しずつ、表情がほぐれていくのが分かった。後半からは、
小さくハミングも入れてくれるようになった。
こ「♪〜前向いて 進め ヒーロー
夕雅「…ころちゃんさんが、すとぷりが…俺のヒーローです。」
こ「ヒーロー、かぁ…ありがと。」
夕雅「こちらこそ、ありがとうございます。」
夕雅くんみたいに、僕達をヒーローと言ってくれる人がいる。
それだけで、もっとやる気が出るし、助けてあげられるなら、
助けてあげたい。そう思う。夕雅くんは、純粋だ。
僕でいいのかな。佳兎くんは、知ってること。
夕雅くんの、秘密。僕より、なーくんのほうがいいんじゃないの?
夕雅「…俺のこと、話してもいいですか…?」
こ「!勿論。聞くよ、どんなことでも。」
一瞬、躊躇うように俯いて、けど、すぐに顔を上げて
僕の目を真っ直ぐ見つめて。拳をギュッと握りしめて、
ゆっくり、口を開いた。
夕雅「俺……………戸籍上の性別は、女、なんです。」
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hello - 体調に気を付けて頑張ってください! (8月6日 21時) (レス) @page39 id: 225059d348 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - 続き見たいです‼️長ーく待ってます! (2022年1月29日 23時) (レス) @page39 id: 21f3ca7819 (このIDを非表示/違反報告)
柚木唯月(プロフ) - おつかれ様です作者様!さん» コメありがとうございます。うちの高校、前期後期?みたいです。赤点回避できたかは全てのテストが帰ってきてからお伝えします (2021年6月15日 23時) (レス) id: 9b9bd0c342 (このIDを非表示/違反報告)
おつかれ様です作者様! - 私…期末テスト始まるんですけど。早すぎません? (2021年6月10日 21時) (レス) id: 3429c88509 (このIDを非表示/違反報告)
柚木唯月(プロフ) - なえさん» ありがとうございます!更新再開は中間考査が終わってからになってしまうかもしれませんが、徐々に更新しようと思っていますので、これからもよろしくお願いします_ _)ペコリ (2021年5月27日 23時) (レス) id: 9b9bd0c342 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚木唯月(元:美術部) | 作成日時:2020年11月29日 13時