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うらたぬきside
「お、すげぇ！！」
思わず漏れた声に、紫、赤、黄色の三人もスマホに向けていた視線をはっ、と上に向けた。「綺麗やなぁ」と俺同様、声を漏らすまーしぃ。
これを見て思い出すのは夏のことだ。4人で浦島坂田船の月曜日を終わらせ、カフェでくつろいでいると、クリスマスツリーの木の枝に必死に飾りつけをするある女性が見えた。まだ夏なのに、なんて思っているとセンラが「今から準備せなあかんの」とスマホの画面を見せてきた。相当大きなクリスマスツリー。それもかなり綺麗だ。
「へぇ、なんでわかんの？」
「あの子、仕事の後輩でボランティアでやってるらしいんですよ。」
「まぁ、話したことはないですけどね」と、つけたして苦笑するセンラ。坂田は「どっかでみたようなぁ……」と首を捻らせ、まーしぃは少し、居心地悪そうにしていた。
「何、まーしぃ知り合い？」
「いや……ちゃうよ」
「ってか、ボランティアってまじか」
「あれが好きらしいです」
「へー、俺もやったことあるんやけど、あれって一人のヤツが仕切ってて、超怒られたんやで………それでみーんなやめたんやなぁ」
「………色々ツッコミたいけどまず、坂田、あれ作ったことあんの？」
「おん！あれ、言ってなかったっけ？？」
「言われてねぇよ！」
「ってことは、もしかしたらその時に仕切ってたのがあの人って可能性もあるんやないです？」
「んー……」
首を捻る坂田に視線に気づいたのか、ちらっと振り向いた。その目線は少々まーしぃ寄りで、当の本人は目もくれなかった。ただ、ちらっと一瞬見たぐらいだった。
「まーしぃやっぱり知り合いじゃね？すげぇ見てるし」
なんて言うと「いや、知らない」と怪しめに誤解を解こうとするまーしぃにこれはビンゴだな、と確信する。でも、見たことない。やっぱり違うのか？と思っているとツリーの一部分と思われる部分が完成していた。
そのやりきったような表情に不覚にも愛しいと思ってしまった。
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作者名：なの | 作成日時：2018年11月14日 19時
