愛したヒトの殺し方《セブルス・スネイプ》 (ページ10)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:13,486 hit

・ページ10

⭕

女子トイレに着くと、そこには既に沢山の先生達がおり、その目線の先には、気絶したトロールと、ポッター達がいた。

マクゴナガル先生が「何があったのか」と問うと、口を開きかけたポッターに被せ、グレンジャーが「私のせいだ」と口にした。
どうやら、自分にも退治できると思ってトロールを呼び込んだらしい。

「でも私、ハリーやロン、それにAが来てくれなくちゃ、今ごろ大怪我をしてました。」

それを聞いたマクゴナガル先生は、グレンジャーから点数を引き、ポッターとウィーズリー、Aに点数をあげた。

そうしてポッター達に「大広間に戻れ」と告げると、トロールの処理をクィレルに任せ、私達教師も大広間に戻ることになった。

私は、グレンジャーが説明をしている途中、ポッターに足の怪我を見られてしまった為、適当な嘘を吐いて、自室に戻る事にした。

.

『セブルス教授。』

自室に戻る廊下の途中で、声を掛けられた。
後ろを見ると、グリフィンドールのローブを羽織ったAがいた。

「嗚呼、Aか。
どうしたのかね？」

『セブルス教授。足を怪我なされているでしょう。』

肩が揺れた。
隠しているつもりだったのだが...どうやらAには、バレていたらしい。

『私が前に作った薬、覚えていますか？』

「？嗚呼、あの治療薬だろう。子犬の涙の。」

『そうです。
あの薬ですが、私が使ってみても体に害がなかったので、使っても大丈夫ですよ。
ちゃんも怪我も治りました。』

「...怪我をしたのか」

『はい、割と最近に。』

そう淡々と言うA。

怪我をしたのか......小さな怪我ならいいのだが...。

「分かった。折角Aが調合してくれた薬だ。
部屋に戻ったら使ってみるとしよう。」

私がそう言うと、Aは満足したのだろう。
回れ右をして、自寮へと帰っていった。

...

...？

...そういえば、可笑しい。

私はてっきり、Aはグレンジャーと一緒にいると思っていたのだが。
グレンジャーは、「Aが来てくれなくちゃ」と言っていた。

じゃあAは、グレンジャーといなかったのなら、どこにいたと言うのだろうか。