愛したヒトの殺し方《セブルス・スネイプ》 (ページ6)

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Aをソファに座らせ、紅茶を差し出した。
Aは紅茶を受け取ると、紅茶の表面をじぃっと見つめる。

「...それで？
グリフィンドール生徒が、態々我輩に質問とは？」

私がAにそう問いかけると、Aは紅茶を机の上に置き、持ってきていた教科書を差し出してきた。

私は意味が分からず、眉間にシワを寄せる。

『教科書の、ここのページの...ここ、なんですが、』

Aが教科書をペラペラと捲り、とあるページで止まると、そこへ指を這わせた。

指差されたのは、外傷を治す薬の調合方法が載ったところ。

「ここが、どうかしたのかね？」

『この薬の調合は、龍珠(ドラゴンの涙)を使って行う、と記されているのですが、他の物でも代用できませんか？』

ドラゴンは、心を許したものにしか涙を見せない。
それにドラゴンは、中々心を許さない生物だ。

Aは、その事を言っているのだろう。

「確かに、龍珠は入手するのが困難だが...。
他の物、というと？」

『例えば、仔犬の涙なんてどうでしょうか。
どちらも成分は同じですし、仔犬の涙の方が、入手も簡単かと。』

「成る程...そう考えると、代用も可能な気がするな。」

『少し、鍋をお借りしても宜しいですか？』

「...構わん。」

私がそう言うとAは、「ありがとうございます」と、鞄から薬を調合するのに必要な材料を取り出した。