愛したヒトの殺し方《セブルス・スネイプ》 (ページ2)

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いつまでたっても返事をしない私を不思議に思ったのだろう。
彼女は私に近付き、私の頬に手を添えた。

...冷たい手だ。
昔はもっと暖かかったのに。

『初めまして、スネイプ教授。
顔色が優れないようですが。』

淡々と喋る彼女を見て、本当にあの彼女なのか？と思い始める。

...そうだ、彼女はもっと笑う人だった。
もっと笑う人で、もっと正気のある瞳をしていた。

それがどうだ？今じゃあニコリともしないし、瞳は死んだ魚のようではないか。

とりあえず彼女の手に私の手を添え、安心させるべく言葉を紡いだ。

「...嗚呼。
少し体調が優れないだけだ。」

そう言うと彼女は「そうですか」と呟き、私の頬から手をスルリと離した。

頬にはまだ、彼女の掌の感触が残っている。

ダ「セブルスなら知っておろう？
この子はA・マルヴェル。
君の同級生だった筈じゃ。」

「ええ。
...ですが彼女は、病気で死んだ筈では...！」

彼女は病気で死んだ。
魔法を使えば治る病気だったのに、だ。
彼女は魔法を使用する事を拒絶したのだ。

ダ「そこが問題なのじゃよセブルス。
確かにAは病気で死んだ。
ワシも葬式に出たからの、よぅ覚えておる。

じゃが今こうして、Aはここにおる。
それにのぅ..._____」

ダ「Aはどうやら今、ヴォルデモートの手下らしいのじゃよ。」

信じたくなかった。

私の勝手な思い込みかもしれない。
けれど彼女は、僕(スニベルス)に優しくしてくれていたのだ。

そんな彼女が、例のあの人の手下だなんて...。

私の頬を、生暖かい汗が伝った。