検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:1,442 hit

9話 ページ9

ガチャ




いつもはあちら側から開くはずのない扉が開く。




「54679番!何があった!」




息をきらしたようすで師匠がやって来た。




何故そんなに急いでいるのだろうか。
何か異変があったのか。




「え、どうしたんですか。」




「どうしたもこうしたもあるか!己己己己さんがいなくなって…!」




私が聞き返すと、師匠は一大事だと言うように答えた。




そうか。この人間は気絶していて何も様子がわならなかったのか。




「あの人なら帰りましたよ。気に入ったので1ヶ月後すぐに家に着いてもらうと言っていました。」




そう言うと、師匠はほっとした顔をした。




「そうか。俺はあの人の機嫌を損ねてしまったて心配で心配で…。気に入られてもらったようで良かった。お前はアンドロイドの中でトップレベルで優秀だからな。」




優秀。良いように言っただけで、どうせ指示をよく聞き扱いやすい、壊れにくいという意味のくせに、よく言ったものだ。




「そうですか。ありがとうございます。」




「ああ。じゃ、残りの1ヶ月、楽しめよ。」




そう言って師匠は帰っていった。




この何も無い施設の中でどう楽しめって言うんだ。




アンドロイドもたくさんいるわけじゃないし、いたとしても話すわけではない。




私がこの施設から出ていったとしても、誰も悲しむ人なんていないんだろうな。




師匠は、ただお荷物が一人いなくなったと思うだけだろうし。









こうして何事もなく、1ヶ月がたった。




「おい、54679番。訓練場所に来い。」




あのときと同じように、放送が鳴る。




この施設とも今日でさよならだ。




最後に怒られたいしないように、急いで訓練場所に向かった。

10話→←8話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
設定タグ:にじさんじ , 月ノ美兎 , 二次創作 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:十六夜家。 | 作成日時:2024年3月17日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。