11話 ページ11
己己己己さんが私の隣に座り、己己己己さんのアンドロイドが運転席に座って車を動かし始めた。
外に出るのは初めてだ。
でも写真などで見ているので、そんなに意外さはない。
「どう?念願の外は?」
窓から外を見ていると、己己己己さんが隣から声をかけてきた。
念願?いつ私が外へ出たいと言ったのだろうか。
なんて答えを返せば良いのか分からず、少し微笑むぐらいしかできなかった。
それから20分後くらいか、車が停まった。
「僕、トイレに行ってくるね。」
「私も、着いていきます。」
アンドロイドはトイレに行く必要はないのだが、反射的にそう言った。
己己己己さんが男性用のトイレに入るのと同時に私も女性用のトイレに入った。
すると手洗いをしながら話している3人組の女性に出会った。
「そこで美兎ちゃんが柵超えられなくてwww」
「いや、ほんとに超えられなかったんですよ!?」
「ほんとかー?」
黒髪で、敬語を話す人間と銀髪で背が高くスラッとしている関西弁の人間、青髪で大人っぽい人間に出会った。
なにやら楽しそうに会話をしていた。
「ほら、通行人の邪魔になってますよ!」
「話そらすなや。」
「まぁその通りだし…。」
入り口で立ち尽くしている私を見ると、申し訳無さそうに道をあけてくれた。
「あ、ごめんなさい。ありがとうございます。」
謝罪と感謝は忘れてはいけないと、師匠が言っていた。
「ええんやで。悪いの私達やし。」
な?というように二人を見る関西弁の人間。
すると二人はその通りだと言うようにうんうんと頷いた。
すぐに私は用を済ませ、そそくさとトイレから出ていった。
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作者名:十六夜家。 | 作成日時:2024年3月17日 20時