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「――時間遡行症ですね」
じかん、そこう。
医者が難しそうな面持ちをして言い放った
その病名は、聞いたことのないものだった。
「時間遡行……？」
「はい」
「記憶障害の一種ですか？」
いいえ、と 医者は否定した。
「普通、時間の流れとともに人は歳をとりますが、
あなたは時間が進むごとに若返っていく体質になってしまっているんです。
一日経てば記憶も身体も一日前に戻ります。
外見も中身も時間に遡行しているのです。
若返っていくだけで、他に体の影響は何もなく、
病気と見なしていいかどうかさえもわからないと言われています」
「……」
医者の言葉を飲み込めない自分がいた。
目の前の白衣の人は、確かに言った。
「若返って、いく……」
医者は深く頷いた。
「はい。1年経てば1年分、10年経てば10年分若返ります」
それは、つまり。
唇が震えるのが嫌でも分かる。
嘘でしょう？嘘であってほしい。
そんなことを願いながら、問いかける。
「……俺は、今29ですけど」
俺と真剣に向き合ってくれる医者さんの視線が痛い。
「はい」
「29年経ったら、俺は赤ちゃんになるってことですよね」
沈黙が流れる。お互いに顔を歪めた。
この医者は俺の気持ちに共感しようと努めているのだろう。
「そうです。…普通赤ちゃんの前はお母さんのお腹の中ですね。
……胎児は母体の外では生きていけないです」
「……」
命のタイムリミットが表明されている。
しかも時間が経つごとに見た目は若返り、記憶も失っていくのだ。
今後の仕事に影響するのが目に見える。
「俺は、あと29年しか生きられないのですね？」
「ええ」
「食い止める薬とか治療法とかはありますか？」
「……残念ながら現代の医学では治すことはできません」
「そうですか……」
と一息をついたのは、これからに対する覚悟なのか。
恐怖なのか。諦めなのか。……わからなかった。
自分の感情が理解できず、黙るしかなかった。
力になれず、申し訳ないと医者は頭を下げた。
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はづき(プロフ) - かおりさん» こんばんは。ご覧になりましたか！私はあの映画の二人は最終的にですけど幸せな人生だったと思っています。しかしとても切ないお話でしたよね。。櫻井くんと大野くん幸せになって欲しいですよね。櫻井くんの人生に幸あれ！と思いながら書いています笑。 (2019年9月16日 12時) (
レス) id: 9ca762563c (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます。ブラピの映画を観ました。なんとも切ない気持ちになりました(;_;)このお話の櫻井君と大野君が幸せになれますように…。映画の2人も幸せだったのかなぁ…。 (2019年9月11日 21時) (レス) id: 31a0e94711 (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - かおりさん» 嬉しいです！コメントありがとうございます！ (2019年8月3日 21時) (レス) id: 643d79763c (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - かおりさん» かおりさん、こんにちは！そうです、ブラピ…のやつです。ぜひぜひ！この作品の奇病はどちらかというと小説の方がほぼ近いのですが、映画もオススメします。好き嫌い分かれそうだなと思いますが私は好きです！夏休み間のみの毎日更新なのですが、楽しみいただけたら (2019年8月3日 21時) (レス) id: 643d79763c (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - こんにちは。毎日の更新ありがとうございます。映画ってあれですよね、ブラピの…。知ってるけど観たことがなくて。でもこの作品で興味が湧いたので、観てみようと思います。 (2019年8月3日 10時) (レス) id: 31a0e94711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はづき | 作成日時：2019年4月27日 20時
