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事務所から出るやいなや、俺は携帯を取りだした。
電源を入れると、連絡帳の履歴をあけ、一番上にあった親友の名前を押す。
数秒待つと、留守電に切り替わられた。
「……そっか仕事かあ」
最近会ってないし、会話もしてないなあと思い返す。
彼は仕事一番でいつも忙しいのだから、仕方がないと諦める。
俺は、翔くんに何もしてやれることがない。
むしろ、俺は翔くんに支えられてばかりだ。
大学に入学して間もなく出会った親友。
いつも明るくて楽しい人で、すごくイケメンで。
一緒に行動して彼の内部を知っていくにつれて、
俺は彼のことを人間として惚れていった。
ものすごく熱情的で、真面目で。
何事に対しても一生懸命取り組んでいる様子をたくさん見てきた。
彼は俺とは真反対の人だった。
そう、何もかも真反対で。
俺が講義を真面目に受けずに絵を描いていても彼はそれを微笑ましく見てくれていた。
試験が近づくと、俺のためにノートをつくってくれた。
あれから何年が経ったのだろうか。
俺は今３０歳だから、もう１０年くらい前だ。
「老けたなあ……」
帰路について、手を洗いながら鏡を見る。
情けない顔が映っていた。
あのころの自分よりは成長したはずなのに、
不甲斐ない自分はあのころとまったく変わらない。
――虚しかった。
俺は、いつも支えられてばかりでいる。
それなのに、何も返すものがない。
俺は、俺は。
自分の好きなことをやってばかりでいて。
『違うよ、智くん』
頭の中で今より幼い彼が言った。
『俺は智くんの紡ぐ世界が心から好きだし、癒やしなんだ』
俺が何か悩んでいるといつも決まって、そう言って励ましてくれた。
俺はいつも彼に救われているのだ。
「……はは。情けねえ」
そう思うのと同時に、翔くんと話したいという欲求にかられた。
結局は彼の隣が一番落ちつくのだ。
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はづき(プロフ) - かおりさん» こんばんは。ご覧になりましたか！私はあの映画の二人は最終的にですけど幸せな人生だったと思っています。しかしとても切ないお話でしたよね。。櫻井くんと大野くん幸せになって欲しいですよね。櫻井くんの人生に幸あれ！と思いながら書いています笑。 (2019年9月16日 12時) (
レス) id: 9ca762563c (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます。ブラピの映画を観ました。なんとも切ない気持ちになりました(;_;)このお話の櫻井君と大野君が幸せになれますように…。映画の2人も幸せだったのかなぁ…。 (2019年9月11日 21時) (レス) id: 31a0e94711 (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - かおりさん» 嬉しいです！コメントありがとうございます！ (2019年8月3日 21時) (レス) id: 643d79763c (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - かおりさん» かおりさん、こんにちは！そうです、ブラピ…のやつです。ぜひぜひ！この作品の奇病はどちらかというと小説の方がほぼ近いのですが、映画もオススメします。好き嫌い分かれそうだなと思いますが私は好きです！夏休み間のみの毎日更新なのですが、楽しみいただけたら (2019年8月3日 21時) (レス) id: 643d79763c (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - こんにちは。毎日の更新ありがとうございます。映画ってあれですよね、ブラピの…。知ってるけど観たことがなくて。でもこの作品で興味が湧いたので、観てみようと思います。 (2019年8月3日 10時) (レス) id: 31a0e94711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はづき | 作成日時：2019年4月27日 20時
