13種類の結果パターン

「…ねえ、今日だけで良いから、俺/僕に愛させて？」 - 2024年4月27日

さとみくん＿嫉妬

帰り道、さとみくんと駄菓子屋で買ったアイスを食べながら帰っている。

「…俺の事、好き？」

初対面からそう聞いてきた彼の事を最初はあまり好きになれなかったが、

今では一緒に帰るほど仲が良くなっていた。

彼の方が先輩なのに、どこか私の方がしっかりしている気がする。

「ん〜、やっぱ暑いときはアイスが一番だね〜」

今は8月、アイスをおいしいと感じるのも当たり前のことだ。

さとみくんはおいしそうにアイスを頬張っている。

もちろん、私も。

「そうですね…夏のアイスは格別。冬も良いんですけどね」

私がアイスを食べながら言う。

「えっ？冬もアイス食べるの！？…ていうかそろそろ敬語やめない？」

敬語をやめるか…。

でもさとみくんは先輩なんだし、社会のルールは守らないとね。

「嫌ですよ。さとみくん、先輩ですよね？」

今更か、と自分で突っ込みを入れる。

「ほんとはYOUちゃんと同級生になりたかったけど、早く生まれたから、仕方ないよね〜」

相変わらず軽いな…。

女子にモテる先輩、そして、いきなり声をかけてきた先輩。

これが第一印象だった。

そして今ではそこに、

かっこいい先輩、優しい先輩、一緒にいて楽しい先輩…。

新しい項目が加わった。

いきなり静かになって、風が吹いた。

「…だって、そしたらYOUちゃんのそばに寄ってくる男子…全部追い払えるじゃん」

ドキッとして見上げると、さとみくんの顔は真っ赤だった。

なぜだろう、私の顔まで赤くなってきている気がした。

「…ほんと苦しい、なんなの、この気持ち…」

さとみくんが顔を手で覆ってつぶやいた。

私は下唇をかんで、緩みそうになった口を押えた。

「…何でしょう…」

私にもわかる。

私だって、さとみくんが誰かと仲良くしていると、苦しいから。

「…なんて、」

ほんとはわかってるのに、ごまかしてしまう。

ー…この気持ちは、嫉妬だ。

急にさとみくんに手を握られて、驚く。



「…YOUちゃん、俺だけのものにならない？」



＊


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らっきーめんばー

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