TVXQ　奏心な愛　1　～ユチョン～

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Aさんの診断結果

第29話：不器用な優しさ
気付くと私は、財布だけを持って部屋を飛び出していた。
シュンとの思い出が走馬灯のように甦り、私の胸をきつく締めつけた。

その苦しみからか、冬の寒さからか、体の震えが止まらなくなり私はその場にしゃがみこんだ。

すると、私の背中に何かが掛けられた。
「…私のコート？」
顔を上げると少し息を切らしたチャンミンが立っていた。

「あーやっと追い付いた。Aさん、歩くの早いですよ(笑)。」
「チャンミン…さん。」
「大丈夫ですか？そんな薄着で風邪ひいちゃいますよ！」

こういう状況にあまり慣れていないのか、チャンミンは少し困っている表情だった。
しかし、一生懸命に私を慰めようとしているのは強く感じた。

「ごめんなさい。せっかくの楽しい雰囲気を私のせいで台無しに…。」
「そんなこといいですよ。それにしても寒いっすね。早くコンビニ行って温かいもの買いましょう！」
そう言ってチャンミンは私の両肩にそっと手を当て、立たせた。
そして、私たちはコンビニへ向かった。

「いらっしゃいませ。」
夜遅いこともあって店内は少なかった。

「あっ！プリン買いましょう！う゛～ん、めちゃ種類があって迷いますねぇ(悩)。」
なんだか子供みたいにはしゃいでいる。

「Aさんも、プリン食べますよね？」
「うん(笑)。」
きっと、私を元気づけてくれてるんだ。
チャンミンの笑顔に私の心はいつのまにか温かくなった。

私たちは体が温まるまでしばらく店内をウロウロした。

雑誌に載っている東方神起のグラビアを見つけた私は、チャンミンに見せた。
するとチャンミンは照れながらも、写真を指差し他のメンバーのことを話してくれた。

「この人はリーダーのユノです。で、この人はジェジュンです。料理がとてもうまいんですよぉ！で、この人がジュンス。僕が崇拝している教祖です(笑)。」
「崇拝？」
「ええ、表向きは(笑)。実際は違いますけどね(爆)。」
メンバーの話をするときの彼の顔はとても優しかった。