会えない数だけ (ページ35)

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稜「同居してたの？」

「ううん、してない。
けどしようとしてた」

そっか、もう " する " じゃなくて " しようとしてた " に

言葉は変わってしまうんだ

稜「それから連絡とか取ってないの？」

「消した」

稜「消してよかったの？」

「、、、どうなんだろうね」

ハワイに来るって言ったってどうせ旅行でしょ？

私に会いに来るなんてそんな馬鹿げた話あるわけない

稜「どうなんだろうってな、、、」

「もう来ないよ、美勇人は私に会いに来ない」

稜「美勇人、、、？」

「あっ、彼の名前」

稜「名前からしてかっこいいのな」

「名前負けはしてないかも(笑)」

稜「よく言えたもんだな(笑)」

「フフ(笑)

私ずっと待ってたの、迎えに来るって紙置いてあって
どうせ美勇人のことだからすぐ迎えに来ると思って
勉強だってバイトだって全部全部頑張った」

稜「でも迎えに来ない、ってか？」

「ビンゴ」

稜「でもまだ分かんないだろ。
その美勇人？って人もなんか理由があってお前と
距離っつーかなんつーか置いたんだろ。
理由なく距離置くやつなんて聞いたことねえよ」

「だって美勇人何考えてるか3年一緒にいても
分からないことの方が多かった」

稜「お前は黙って待ってればいいの」

稜くんの言葉に何故だか救われた気がした

待つことが苦手な私に初めて刺さった言葉だった

「黙って待つ」

空を見上げると無数の星が流れていくのが見えた

" 会いたいです "

一瞬の流れ星にそっとお願いして

部屋に戻った

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