会えない数だけ (ページ26)

今日:9 hit、昨日:20 hit、合計:179,231 hit

025 ページ26

.

「元気してた？」

「うん、まあボチボチ、、、？」

カットにカラー、パーマをあてて

初めてあんなに長く美容院にいた

" 時間ある？"

私と同じくらいの時間に終わった顕嵐くんが

二人してお会計を待っている時に声をかけてきた

顕「ボチボチ、か(笑)
大学生活も慣れたでしょ？」

「慣れたというか、ダラダラが増したっていうか」

顕「授業はちゃんと出た方がいいからね？」

「仕事で忙しいを理由にして大学来ない顕嵐くんに
言われる筋合いないです」

入学してから気づいたこと、

顕嵐くんと同じ大学ということ

この人が大学行くとか見た目からして有り得ない

顕「それいっちゃ終わりだわ～(笑)」

どこに笑うところがあったのか私には分からない

そんな顕嵐くんを無視してアイスティーを一口

顕「、、、美勇人くん、頑張ってるよ」

「えっ？」

誰も何も聞いていないのに

教えて欲しいなんて私言ってないのに

顕嵐くんは私の心を見透かすかのように

聞こえるか聞こえないかの声で呟いた

顕「空元気なんだけどね、、、(笑)」

「私にそんなこと今更言われても」

今更私がどうしろっていうの

あの日私が寝ている時、何があったか教えてくれなかった

リングを置いていったことも

置き手紙を残していったことも

私には分からないんだ

もう、苦しみたくないの

.