会えない数だけ (ページ18)

今日:13 hit、昨日:20 hit、合計:179,235 hit

017 ページ18

Myuto.

AとAママが部屋を出て

俺とAパパの間に言葉に表せないくらいの

最悪な空気が流れている

パ「最近仕事はどうなんだ」

『有難いことに色々な経験をさせてもらってます。
去年の12月はAさんからも聞いてると思いますが、
僕の所属グループが単独ライブをやらせて頂いたり、
僕自身だと雑誌のモデルデビューもさせて頂きました。
これは自分の力じゃなく、Aさんが支えてくれて
いるからこその結果です』

パ「そうか、それは良かったな」

『はい』

パ「好きな人と一緒に住むって確かに幸せなことだ。
それは言わなくても分かるよな？」

『分かります』

パ「お互いが安定している時に、同居してもいいって
思う年齢になったら俺だって快く承諾した。
だけどな、Aは卒業したばかりで今年から大学生だ。
勉強、バイト、友達付き合いで忙しくなることは確実。
帰ってきたら美勇人くんや自分のご飯を作って、掃除や洗濯、
分担したくたって出来ない環境が自然と伴うんだ」

『それは大丈夫です、負担は絶対かけません』

パ「口じゃ何とでも言えるんだよ
美勇人くんの収入やAの貯金が底ついたら
その先はどうして行くつもりだ？
もし同居となっても、うちからは支給できない。
美勇人くんだって親に家賃代払ってくれ、なんて
その歳じゃ言えないだろ」

俺は後先何も考えずに、ただ一緒に住むことだけを

同じ空間で幸せを感じるためだけに

住もう、と言ってしまったのだろうか

話されるたびに言われていることが正しすぎて胸が苦しい

それと同時に学校で鍵を渡した時のAの

嬉しそうな表情が脳裏から離れない

.