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以上、回想。さて、どうしたものだろう。
「早くこっちに来なさいよ!呪具がどうなるか分かってるんでしょうね!」
柵の向こう側にいる、女の子。手元に、今回の目的である呪具を抱えている。
「すみません…鈴鹿Aさん、貴方には穏便に説得を試みて頂きたいのですが…」
そう言うのは、悠仁君の件の時、電話をくれた伊地知潔高という方らしい。
「了解です。ありがとうございます」
「い、いえ!では、健闘をお祈りします」
伊地知さん達は、後方へ下がった。女の子と1番近い位置にいる私が、必然的に目に留まる。
「アンタがここの責任者?」
「…えっと……任務に派遣された者です」
「はぁ!?呪術界の偉いヤツらを呼べって言ったじゃない!」
聞いてない、その話。初めての場面に緊張する最中、口がどもる。
「…今この場に、貴方の望む方をお連れ出来ず、大変申し訳ありません。そちらに伺ってもよろしいでしょうか?」
「……なら、両手を腕ごとあげながらこっちに来て。少しでも怪しい動きしたら、躊躇しないから」
ポケットにいる呪霊を見られない事を確認して、両腕を上げた。そして、ゆっくりと進む。
「その扉から入って」と投げやりに言われ、柵の外側にとうとう辿り着いた。思わず息を飲む。
そこは、圧巻だった。ここから足を踏み外せば、死ぬ。たった一つの事実に、私は喉を鳴らす。
この女の子は、その恐怖に耐えながらこの場に立っていたのだ。何時間も。
近くで見ると、隈の目立つ女の子。悠仁君達と同い年くらいだろうか。
「あ…アンタが飛び降りるなら私は納得して捕まってやる!そしたら呪具も渡してやる!」
目が合って、いきなり衝撃的な発言。頭がぐるぐる回る。
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作者 - 紅葉さん» 弐の方にもコメントしてくださっていたんですね!気づくのが遅れてしまってすみません!読んでくださってありがとうございます! (2021年2月24日 22時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 五条先生の創作アルバム怖いですね……最後のセリフで「ヒェッ」ってなりました……。面白いです! 真希さんのツンツン具合がまた好き……続き読んできます (2021年2月22日 8時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ゆうなさん» わっ、本当に申し訳ございません…。修正させていただきました!今後も当作品をよろしくお願いします! (2021年2月6日 23時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - いつも楽しく読ませて頂いています!あの、22話くらいから、名前変換ができなくなっている気がします。華瑠→華琉になっているからだと思われます!此方の不具合でしたらすみません…これからも応援してます!! (2021年2月6日 11時) (レス) id: 3ecb08afbf (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2021年1月26日 23時