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教員方の控え室になるであろう部屋を通り過ぎて入った和室。
そこで、五条さん、庵さんは座った。
結局、一緒に話を聞いていなよと五条さんに言われたため、私はお二人の中間ら辺に立つ。
「それで、話って?」
庵さんが切り出した。なのに、五条さんはそれに乗らずに言う。
「?なんでキレてんの?」
「別にキレてないけど」
「だよね、僕何もしてないし」
「私にはね」
こめかみに青筋の浮かぶ庵さん。本当に嫌いなんだなぁ、なんて思っていれば、突拍子なく五条さんは言った。
「高専に呪詛師…或いは呪霊と通じている奴がいる」
「っ有り得ない!呪詛師ならまだしも呪霊!?」
呪詛師、呪霊。呪術師と相反する2つと通じた者。なんて話だ。
「そういうレベルのが最近ゴロゴロ出てきてんだよね。本人は呪詛師とだけ通じてるつもりかもね。京都側の調査を歌姫に頼みたい」
「…私は内通者だったらどうすんの?」
「ないない。歌姫弱いしそんな度胸もないでしょ」
五条さんの煽りに湯呑みが飛んだ。庵さんが投げたのだ。お茶は宙を舞うけれど、五条さんにはかからない。
「この野郎…!大体ねぇ、この子が呪詛師って可能性が高いじゃない」
庵さんは私を指さした。思わず「えっ?」と溢れる。
私が容疑者になるとは思ってもいなかった為、冷や汗が出た。
「突然現れた呪術師、しかも結人第一候補、あまりにもよく出来すぎてるんじゃないの、五条」
「……それ、マジで言ってる?彼女を疑うって事は、僕を疑うって事になるの、分かんない?」
「どうして」
「だって、彼女の所有権。本当は僕にあるんだし」
「え?」と言う私の声と、「はぁ!?」と言う庵さんの声が重なった。一体どう言う事だ。
「いやー、だって。書類に東京の方の高専で管理します、って書いてあるし。そんで管理の責任者は僕。だから僕が判断した場合、処刑なんて事も可能だ」
「つまり、怪しんでいたらとっくのとうに殺してるって言いたいわけ?」
「そゆこと」
ぶるっと身震いした。衝撃的な話だ。私の命は五条さんの判断で無くなるというのだから。
逆に、今まで五条さんは私の所有権を持っていたにも関わらず、蔑ろにせずに扱ってくれた。そう思うと、少し嬉しかった。
「…アンタ、最近ますますキモくなったわね」
「歌姫はますますヒスっぽくなったね」
五条さんの言葉に、今度は机がちゃぶ台返しになるところだった。
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作者 - 紅葉さん» 弐の方にもコメントしてくださっていたんですね!気づくのが遅れてしまってすみません!読んでくださってありがとうございます! (2021年2月24日 22時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 五条先生の創作アルバム怖いですね……最後のセリフで「ヒェッ」ってなりました……。面白いです! 真希さんのツンツン具合がまた好き……続き読んできます (2021年2月22日 8時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ゆうなさん» わっ、本当に申し訳ございません…。修正させていただきました!今後も当作品をよろしくお願いします! (2021年2月6日 23時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - いつも楽しく読ませて頂いています!あの、22話くらいから、名前変換ができなくなっている気がします。華瑠→華琉になっているからだと思われます!此方の不具合でしたらすみません…これからも応援してます!! (2021年2月6日 11時) (レス) id: 3ecb08afbf (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2021年1月26日 23時