09話 : 何者 ページ9
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白い肌、白い髪、真紅の瞳。
姿は勿論、まとっている雰囲気もどこか似ている。
Aは男に対し、言葉を投げかける。
「はじめまして、ですよね
ご用件をお伺いしても?」
というAの言葉に、相手は眉を顰める。
「はじめましてか…
まだ思い出していないんだね」
と男は悲しそうに呟く。
「誰かと勘違いされていませんか?
私は記憶喪失になった覚えはないのですが…、」
「残念ながら、人違いじゃないよ
神々廻A」
という相手の言葉にAは反応してしまう。
その様子を見ていた男は、微笑む。
「神々廻については誰かから聞いているのかな?
最近の君の周囲を観察していたけど、五条の子でも禅院の子でもなさそうだし…、
もしかして、宿儺??」
男はAに問いかける。
だが、Aは男の言葉に首をかしげる。
「なぜそこで宿儺の名前が出てくるのですか?」
「宿儺でも違うのか…」
男はAの質問に答えないまま、考え込む。
Aはその様子に、肩を落とし、
「質問に答えていただけないなら仕方ありませんね…、
術式反転≪赫≫」
とAは指先を相手に向け、そう呟く。
相手は、一瞬、目を見開いたが、すぐに反応し避ける。
「あはっ、
血の気が盛んだね!」
と赫を避けた勢いのまま、Aとの間合いを詰め、
刀を振りかざす。
が、刀がAとぶつかる前に宙で止まる。
「無下限呪術か…、」
と再度、Aと距離をとり、
「領域展延」
男は小さく呟き、再度刀を振るう。
Aは、避けない。
無下限が自身を守ることを信じて疑っていないからだ。
しかし、振りかざされた刀が、自身のほほを削る。
Aは、驚く。
が、かすった程度、
すぐに通常通りの思考回路に戻る。
男は強い。
等級でいえば、おそらく特級に分類されるほどだ。
でも、それ以上に纏っている雰囲気が
一般人とは異なりすぎて、不気味に思える。
「少し、遊ぼうか」
男は再度微笑む。
男はAを見つめる。
それは、愛しい相手を見つめるような瞳で。
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ミルクティー - 「ゆっこ」さんと同じです。めちゃくちゃ面白いです。結末が気になるな〜 (4月2日 20時) (レス) @page16 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - とても好きです。更新楽しみにいています! (3月29日 20時) (レス) @page12 id: 2eecfc8ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーシェ | 作成日時:2024年3月11日 21時