20話 : 書庫室 ページ20
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高専の書庫室には、ランクがある。
誰でも利用できる二級書庫室、
準一級以上の人間又は
準一級以上の人間からの使用許可書をもった人間が利用できる一級書庫室
そして、特級術師のみが利用できる特級書庫室。
その限られた人間のみが利用できる特級書庫室にAの姿が。
椅子に座り、真剣に書物のページをめくる。
そのすぐ隣のテーブルには、積み上げられた書庫の山が。
その大半に目を通したのだろうか、その山は左に行くほど高くなっている。
「おかしい…」
小さく呟く。
その顔は少し疲れているように見える。
それもそのはず、伏黒たちと別れたあの日から3日
Aは書庫室に居続け、書物をあさっていたのだ。
「平安時代の書物が少なすぎる…」
とさらに呟く。
Aはこの3日、両面宿儺に関する情報を1つでも得ようと、
書庫内の書物のほとんどに目を通していた。
しかし、両面宿儺に関する記述はどれも抽象的なものしか残っておらず、
頭を抱えた。
しょうがない、と頭を切り替え、
宿儺が生きていた時代、平安時代の書物をさらに漁ったが、
その書物がほぼないに等しい。
…そう、まるで誰かが意図して消去したように…、
『土佐日記』や『竹取物語』、『伊勢物語』などの非術師の書物は残っているのに、
呪術に関係する書物だけが残らないのはやはりおかしい…
誰かが意図して書物を破棄した？
誰が？何のために？
でも、そう考えないと、この書物の少なさは異常…、
とAは、わかりやすく頭を抱えた。
特級書庫室の書物は、重要な内容を記している物が多いが、
その分数少なく、多く見積もっても1万点度である…、
その数少ない書物の中にも有力といえる情報はなかった。
これでは、宿儺を知るという目的は達成できない。
「宿儺にもう一度会うべき…、でしょうか…？」
Aの呟きに返事はない。
当たり前だ、その空間にはA以外誰もいないのだから。
セミの鳴き声が静かな空間に響く。
夏の始まりを告げる合図の様に聞こえる。
今年の夏も暑いのだろうか、
毎年、最高気温を更新しているような気がする…、
そういえば、去年の夏限定アイスはおいしかった気がする…、
確か、悟と一緒に食べたな…、
「…悟……、」
頭に浮かぶのは、この間のこと。
何度考えてもわからない、この間のこと…、
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ミルクティー - 「ゆっこ」さんと同じです。めちゃくちゃ面白いです。結末が気になるな〜 (4月2日 20時) (
レス) @page16 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - とても好きです。更新楽しみにいています！ (3月29日 20時) (レス) @page12 id: 2eecfc8ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルーシェ | 作成日時：2024年3月11日 21時
