17話 : 気まぐれ？ ページ17
.
「ん、綺麗についたね」
「あ、の、悟…？」
「色々言いたいことがあるけど、
取りあえず、一応これで許してあげる」
ご機嫌な五条。
困惑するAをおいて一人、歩き出す。
そして、曲がり角で、
「あ、そうそう、
悠仁が生きてること、ほかの皆には話しちゃだめだからね〜」
「え、あ、はい」
と五条は、完全にAの前から消え去った。
置いて行かれたAは一人、何をされたのか考える。
自分は宿儺と対峙したことを告げた。
そう、そして、嚙みつかれてしまったことを話したら…、
Aの顔はまたまた赤くなっているだろう…、
考えることをあきらめる。
五条の理解できない行動は今に始まったことではないと、
自身に言い聞かせ、
Aは深呼吸して、落ち着きを取り戻す。
Aは、これからすべきことを考える。
両面宿儺について知らなければいけないと。
彼がなぜ、思い出せと言ったのか、
彼がなぜ、私にあんなことをしたのか、
彼がなぜ、あんな瞳で私を見つめたのか、
それを知らなければ、いけない気がする。
だが、その前にまずは…、
「恵たちに会って、無事を確認しないと…、ですね」
とAも止めていた足を再度動かし始めた。
.
.
.
.
「ずいぶん余裕がないんだな」
と五条は声を掛けられる。
声の主は、家入。
曲がり角の少し奥で五条のことを待っていたのだ。
「見てたの？」
「ああ、ばっちりな」
と悪びれもなく家入は告げる。
五条は、その様子を見て不満を露にする。
「硝子はしってるでしょ、僕の気持ち」
「まぁな」
「あの子がもう少し大人になったらって考えてたら、
横から呪いの王がちょっかい出してるんだもん
そりゃあ、僕も少し焦るよ」
と五条は大げさな身振り手振りをしながら、
家入と並んで歩きだす。
「…呪いの王のちょっかいは、気まぐれかもしれないだろ
そんなに余裕をなくすことないんじゃないのか」
「宿儺の気まぐれじゃないと思うよ」
「なぜ？」
「なんとなくさ」
と五条は話を終わらせる。
家入はそんな五条にため息をつく、
が、
「強いて言うなら、
恋敵の勘ってやつかもね」
と吐き捨て、五条は足を進める。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 244人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミルクティー - 「ゆっこ」さんと同じです。めちゃくちゃ面白いです。結末が気になるな〜 (4月2日 20時) (
レス) @page16 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - とても好きです。更新楽しみにいています！ (3月29日 20時) (レス) @page12 id: 2eecfc8ab4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルーシェ | 作成日時：2024年3月11日 21時
