15話 : 真実 ページ15
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解剖室を出てすぐのところに五条が一人立っていた。
「お待たせしてしまいましたか…?」
「いーや
硝子と少し話してたから全然待ってないよ」
と微笑む五条。
その近くに家入の姿はない。
五条との話を終え、すぐに報告書をまとめに行ったのだろう。
Aが五条の隣に立つと、五条は歩き出す。
「聞きたいことが色々あるんだけど、」
と世間話をするようなノリで、話しかける五条。
「まず、なんで今回の任務に参加してたの?
A、別任務の担当だったよね?」
「前の任務が早く終わったので…、」
「A」
と五条はAの言葉を遮る。
「僕にまで嘘つく必要ある?」
と問いかける。
Aはバレていたことに驚き、眉を下げる。
「ごめんなさい、嘘をつこうとしました」
「うん」
五条は、Aの言葉にご機嫌になる。
「実は…、
昨日、上層部が悠仁を処理するために動いているという情報が耳に入ってきて…。
その情報を聞いた直後、
特級相当の任務を1年生に依頼したと聞いて、嫌な予感がしたんです」
「なるほどね
だから、僕の夕食の誘いを断って、次の日の任務を処理してきたんだ」
と五条は納得の表情を見せる。
そう、実は虎杖と初めて会ったあの日、
Aはその日の任務を既に全て処理していたのだ。
上層部が動いているという情報もその時には既に知っていた。
だが、その時は、Aは特に虎杖のために動く予定はなかった。
どちらかというとAは上層部の意見に賛成だったからだ。
宿儺の器、使いようによっては便利なのかもしれないが、
その危険性はそれの比ではない。
しかし、虎杖と会って、分かった。
虎杖悠仁は、ここで死なせていい人ではないと。
そのため、Aは新田に無理を言い、
次の日の任務をその日の夜にこなし、
今日、虎杖たちと任務に合流したのだった。
「勝手な行動をしてしまい、申し訳ありません」
「なんで謝るの?
Aのおかげで1年生全滅っていう最悪の未来は防げたんだ
むしろ誇るべきだと思うよ、僕は」
五条は、またAの頭を撫でる。
が、その手が止まり、足も止まる。
Aは何かあったのかと、五条を見上げる。
「悟?」
「…ねぇ、その首の赤いの、何?」
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ミルクティー - 「ゆっこ」さんと同じです。めちゃくちゃ面白いです。結末が気になるな〜 (4月2日 20時) (レス) @page16 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - とても好きです。更新楽しみにいています! (3月29日 20時) (レス) @page12 id: 2eecfc8ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーシェ | 作成日時:2024年3月11日 21時