だから、君なら ページ41
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｢八雲さん、虎杖さん。行先変更です。このまま保須市に向かいます｣
｢え、なんかあったん？｣
｢なんでも、脳無が現れたとか｣
｢のうむ？ってなに？｣
途中、コンビニで休憩を取っているとタイミングよく補助監督の電話が鳴った。
電話の内容は聞き取れなかったがどうやら事件が起きたらしい。しかし彼自身も詳しくは聞かされていないようで、虎杖の質問に対してどこか信じ難いような顔をして答えた。
｢確か最近になって現れ始めたヴィランだったよな？たしか脳ミソ出てて、すっげー気持ち悪いの｣
｢えー、私気持ち悪いの嫌いなんだよなぁ｣
｢そうなの？Aさん、真顔で殺してそうなのに｣
｢それはそうかもだけど、嫌いなことには直結しないよ。ところでそれは悪口として受け取っていい？｣
｢イエ、ちがいます｣
｢はは、面白いね｣
｢勘弁してくださぃ…｣
声が小さくなっていく虎杖が面白くて、余計に笑ってしまったのも無理もない。
緊急事態だと言うのに全く緊張感が漂っていない車内に、補助監督ー運転手は呆れてしまった。
市に近づけば近づくほど乗り捨てられた車や、泣き倒れる人が増えていく。進めるのはここまでだろうと運転手は後部座席の扉を開けた。
｢虎杖くん、なにかありましたら私に連絡を｣
｢りょうかい！｣
｢八雲さん。いくら貴方がお強いからと言って、今はまだ学生です。くれぐれもご自身の行動には最大限の注意を｣
｢はーい｣
｢…怒られるのは我々ですからね｣
｢はいはい｣
｢…はあ、まあいいです。それでは、ご武運を｣
よし、と言った八雲にいいの？と聞く虎杖。騒動の最中に壊れたの、いいね？と言い聞かせてすぐ近くにあったベンチをぶっ壊した。
安定する乗り場を見つけた八雲は早速その上に乗り、恐らく一部始終を見ている運転手からの視線が背中に突き刺さるが振り向きはしなかった。
｢虎杖くん、足速いんだっけ？｣
その一言で虎杖は彼女が何をしたいか悟ったらしい。二、三度屈伸をして、最後に伸びをした虎杖が笑みを浮かべる。
｢よし！Aさん、行こう！｣
駆け出した虎杖の背中はあっという間に小さくなる。
速い、とは聞いてはいた。しかし。
｢はんや…｣
ここまで速いとは知らなかった。
八雲は慌ててベンチの板を浮かしてその後を追う。大分加速してやっとその背中に追いつき、硝子たちの言葉が嘘では無いことを確信した。
終わり
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く - また戻って来ちゃいました…！！本当にいつ読んでも面白くて飽きません！！この小説が大好きです！！ (3月26日 11時) (
レス) id: 2886bd5eaa (このIDを非表示/違反報告)
a - 何回も読み返してしまうほど設定がしっかりしていて解釈の仕方が納得できたりしてしまう程大好きな作品です更新待ってます (3月22日 5時) (レス) @page41 id: 125b1c80a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - え、おわり？？？え？？ここで？？？え (3月14日 0時) (レス) @page41 id: a785fb42c2 (このIDを非表示/違反報告)
甚嘉 - このお話とても大好きです！私はさしす組推しなんですが、夢小説ではよく硝子さんだけ距離を感じるものが多くて…だけど、この作品は4人の友情が綺麗に描かれていてとても惹き込まれました。これからも頑張ってください！ (2月16日 21時) (レス) @page41 id: c9696c8440 (このIDを非表示/違反報告)
r(プロフ) - この作品大好きで大好きで…初期の頃からずっと追いかけてました…久しぶりに見たら更新されてるなんて…夢中で読みまくりました、、更新ずっと待ってます…作者さんの書く作品が大好きです (1月13日 18時) (レス) id: 892520834f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年6月11日 21時
