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もう一度戦える、ということはつまり一度戦ったことがあるということだ。
灰原も七海も今はまだヒーローの卵だ。校外での個性の使用が禁止されていることを踏まえれば、彼らが入学する前になにか共闘する事件があったのだろうか。
ーーいや、僕が知る限りそんな事件は、
なかった、と思う。
緑谷の趣味は情報集めだ。学生が共闘したとなれば新聞にでも載るはず。しかも、あの先輩二人とあの四人の共闘だ。緑谷と爆豪のことでさえ新聞に載ったのだから、載らないはずがないのだ。
五条くんは確かに、ヒーローにはなれないんだと言った。
ヒーローにはなれないんだ。
先輩方がヒーローになればまた一緒に、
「いつ、戦ったんだ」
ふと呟いた緑谷に視線が集まった。
普段はその量の視線を浴びれば慌てふためく緑谷だが、今はそれどころではない。必死に頭の中を整理していた。
「…体育祭の時、五条くんは僕に言ったんだ。ヒーローにはなれないって」
──「僕らはね、ヒーローにはなれないんだ」
そう穏やかに言った五条の表情は、どうだっただろうか。
「灰原先輩はヒーローになれば、また一緒に戦えるって、言ったんだよね？」
「あぁ」
「また一緒にってことは、一度戦ったことがあるってことだよね」
「…まー、そうなるな」
「ヒーローにはなれないと言っているのに、ヒーローでないと戦えないって、言ってる」
「えっと、つまり…？」
上鳴はもう何が何だかわからなかった。
ただ、ずっと言語化できない違和感があるのは事実だ。
今はまだヒーローじゃないから、なんてことが答えにならないのはわかっていた。
「五条くんは僕に、ヒーローにはなれないって言ったんだ」
緑谷は考えを整理するために繰り返した。
なりたい、なりたくないでは無く、なれない。
緑谷も無個性と言われた時に、ヒーローにはなれないのだと思った。それでもなりたかった。ヒーローになることは夢だった。それでも、なれないのが現実だった。
夢はいつでも見れるけど、現実は昔から変わらない。きっと昔から、ヒーローにはなれないと、彼らは思っているのだろう。
「ヒーローになれないって言ってる五条くん達が、ヒーローになれば戦えるって言ってる灰原先輩達と一度戦ってたなら、」
それは、いつ？
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く - また戻って来ちゃいました…！！本当にいつ読んでも面白くて飽きません！！この小説が大好きです！！ (3月26日 11時) (
レス) id: 2886bd5eaa (このIDを非表示/違反報告)
a - 何回も読み返してしまうほど設定がしっかりしていて解釈の仕方が納得できたりしてしまう程大好きな作品です更新待ってます (3月22日 5時) (レス) @page41 id: 125b1c80a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - え、おわり？？？え？？ここで？？？え (3月14日 0時) (レス) @page41 id: a785fb42c2 (このIDを非表示/違反報告)
甚嘉 - このお話とても大好きです！私はさしす組推しなんですが、夢小説ではよく硝子さんだけ距離を感じるものが多くて…だけど、この作品は4人の友情が綺麗に描かれていてとても惹き込まれました。これからも頑張ってください！ (2月16日 21時) (レス) @page41 id: c9696c8440 (このIDを非表示/違反報告)
r(プロフ) - この作品大好きで大好きで…初期の頃からずっと追いかけてました…久しぶりに見たら更新されてるなんて…夢中で読みまくりました、、更新ずっと待ってます…作者さんの書く作品が大好きです (1月13日 18時) (レス) id: 892520834f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんだもち | 作成日時：2021年6月11日 21時
